では、次の自工会会長はどうなるのだろうか。

 過去の慣例でいえば、トヨタ・ホンダ・日産自動車が輪番制で1期2年を務めるのが“暗黙の了解”であった。豊田章男会長が3期6年という異例の任期を務めたことで不確定要素はあるが、順序だけでいえば次はホンダの番になる。

 ただし、仮にホンダが担うとしても、ホンダの“誰”が務めるかという問題もある。かつてホンダは、社長は内政に専念し会長が業界活動を担当するというすみ分けを行っており、宗国旨英元会長以降、自工会会長のポジションも会長が就くことになっていた。だが、現状では三部敏宏社長が自工会副会長となっており、必ずしもこの法則に当てはまらない(現在のホンダの会長は倉石誠司氏)。

 一方で、豊田章男会長が自工会改革を進めたことで、副会長職には事務局専務理事の永塚誠一氏のほか、業界から片山正則いすゞ会長、鈴木俊宏スズキ社長、佐藤恒治トヨタ社長、内田誠日産社長、三部敏宏ホンダ社長、日高(高の文字は正しくは“はしごだか”)祥博ヤマハ発動機社長の6名が就いている。つまり、トヨタ・ホンダ・日産に加えて大型車代表・軽自動車代表・二輪車代表が会長を支える副会長の体制となっており、その中での筆頭副会長は、片山いすゞ会長だ。

 つまり、自工会の次期会長としては、ホンダの社長or会長だけでなく、筆頭副会長のいすゞ片山会長も有力候補といえそうだ。

 それにしても、3期6年を務めて自他ともに認めるリーダーシップを発揮した豊田章男会長の後のかじ取りは難しい。

 ジャパンモビリティショーだけが自工会会長の仕事ではないが、次回以降のジャパンンモビリティショーを今回からさらに充実・発展させられるかというと、かなりの難問だ。豊田章男会長が「次の会長に毎年の開催にするか、任せる」と発言したが、隔年開催から毎年開催となると準備期間も短くなり、現場は大変だ。