豊田会長は「二度目の自工会会長に就任した際、東京モーターショーが凋落している流れに、強い危機感を持った。これに歯止めをかけるべく19年秋の東京モーターショーは『オープンフューチャー』のコンセプトで改革の第一歩を踏み出した結果、それまで100万人を大幅に割っていた集客数を130万人に増やすことができた。今回はコロナ禍で中止となった21年から4年ぶりの開催となり『オールジャパンでつくる日本の未来へこの指止まれ』をテーマに、名称変更も含めた改革に踏み込んだ」と、強い思いを披瀝した。

 豊田会長が100万人超えにこだわった今回の集客は111万2000人の結果となり、終始、“章男節”で語る笑顔のトークショーだった。

 注目されたのが、マツコ・デラックスから「これだけ技術革新のスピードが上がっているんだから、2年に1回では遅れてしまう。毎年の開催にすれば」と、けしかけられた豊田会長から「次の会長が決めることだが、業界を取り巻く環境はスピードアップしているので毎年やるべきだね」と、毎年開催への変更もあり得るという発言が飛び出したことだ。

 その意味では、今回ジャパンモビリティショーへの衣替えに伴い、従来の東京モーターショーとは一線を画す、さまざまな取り組みが目立った。

 会場の東京ビッグサイトには異業種やスタートアップ企業が数多く出展し、多くの商談がそこで合意に至ったという。あるいは水素エネルギーフェステイバルなどエンターテインメントが盛りだくさんで、東館・西館・南館を全て使った大イベントとなった。

 そうした一連の改革が成功を収めた中、毎年開催への変更は“総仕上げ”ともいうべき大きな出来事なり得ることで、可能性はともかく面白い話ではある。

豊田章男自工会会長の後任は?
ホンダかいすゞが有力か

 豊田会長は「日本が世界へ発信する新たなスタートとなった」と述べ、二度目の自工会会長として登板した異例の3期6年を来年5月で終える。次期会長に次のジャパンモビリティショーも委ねることになる。

 さすがに豊田章男会長に4期目留任を望んでも受けないだろうし、今回のマツコ・デラックスさんとのトークショーでも、よく聞くと「次の会長に」と明確に発言しているように、ジャパンモビリティショーへの衣替えを置き土産に、豊田章男自工会体制は終わりを迎える可能性が高い。