いかに子どもに奉公できるか

 だからこそ、
「これからも、少しでも多くの子どもたちに奉公していきたい」
 これがいまの偽らざる気持ちです。

 現在、ひ孫にあたるような年齢の子どもたちを見ていますが、80歳を超えた身体にはさまざまな無理がかかっています。

 赤ちゃんを泣かせるときの長く抱きしめる行動も、少し危うくなってきました。筋力の衰えは確実にあるのですが、それをカバーするため、1日5~6回お風呂に入り、手足に水圧をかけながら動かすという手近なエクササイズも地道に実践しています。

 たしかに、自分の体力の限界に挑戦しているという感じではありますが、キツイと思ったときは、今日抱いた子どもの目の表情を思い浮かべるようにしています。

 私の“泣き道場”で散々泣いた子が帰るときの、柔和な目つきが脳裏に浮かんでくるのです。

 さまざまな問題を抱えている子どもは大勢います。

 その子どもたちが、自分自身のために努力をすることを理解してくれれば、その子は人間的にも大きく成長しますし、結果的に母親の働きかけの負担も軽くなります。

 私自身が直接、手をかければ、おそらく問題行動なども早く直すことができるでしょう。

 でも、それはしません。

 なぜなら、子どもにとって本当に必要なのは、母親の働きかけだからです。

 子どもの欠点を直すためには、お母さんの手引き、手助けが何よりも大切です。

 お母さんがやることに大きな意味がありますから、私は子どもを教えるのではなく、お母さんにいろいろなことを教えます。

 こうしてお母さんが努力をすれば、いつかその努力は必ず実を結びます。

 これからも、「いかに子どもに奉公できるか」ということを考え、“0歳から働きかける”《クボタメソッド》を、ひとりでも多くのお母さんたちに伝えていきたいと思います。

<連載了>


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久保田カヨ子(くぼた・かよこ)
1932年、大阪生まれ。脳科学の権威である京都大学名誉教授・久保田競氏の妻で2人の息子の母。約30年前に、日本における伝統的な母子相伝の育児法を見直しながら、自身がアメリカ在住時と日本で実践してきた出産・育児経験をもとに、夫・競氏の脳科学理論に裏づけされた独自の久保田式育児法《クボタメソッド》を確立。テレビなどで「脳科学おばあちゃん」として有名。2008年、株式会社『脳研工房』を立ち上げ、現在代表取締役。著書・共著書に、シリーズ23万部突破の『カヨ子ばあちゃん73の言葉』『カヨ子ばあちゃんの男の子の育て方』(以上、ダイヤモンド社)、『脳科学おばあちゃん久保田カヨ子先生の誕生から歩くまで 0~1才 脳を育むふれあい育児』(主婦の友社)などがある。ズバッとした物言いのなかに、温かく頼りがいのあるアドバイスが好評。全国からの講演依頼もあとをたたない。
【脳研工房ホームページ】 http://www.umanma.co.jp/