米ジョージ・メイソン大学幸福度向上センターのJames Maddux氏は、「所得に関する今回の調査結果は、これまでの多くの研究報告と一致している」と話す。同氏は、世界規模での研究により、経済的に豊かではない国に住む人では、豊かな国に住む人よりも生活満足度が低い傾向にあることが示されていると指摘し、「生活満足度は、清潔な水が手に入り、居住環境が安定し、食の安全が保障され、医療へのアクセスが改善するなど、生活環境が整っていくにつれ上昇するものだ」と説明する。

 同氏はさらに、「同じことが個人にも当てはまる。家賃や医療費の支払い、食料の購入費に不安がある状況下で生活に満足を感じることなどできるはずもない。しかし、生活の基本をまかなうための十分な経済基盤があれば、人生の満足度は向上する」と話す。同氏によると、人生の満足度は通常、収入の増加とともに上昇するが、ある時点でそのペースは鈍化し、最終的には平坦化するという。

周囲への見せびらかしや競争心で
投資をしても満足度は高まらない

 Maddux氏は、周囲への見せびらかしや競争心から豪邸や高級車などを購入しても心が満たされる可能性は低く、「顕示的消費は、実際には人々の幸福度を低下させる傾向がある」と話す。それに対して、教育や慈善事業、自己満足のための旅行など、自分にとって意味のあるものに投資すれば、人生の満足度を高めることができると話す。

 さらに、本研究では比較的高所得の人でも3〜4%の人は人生に不満を感じていることが示された。この結果についてMaddux氏は、「人生の満足度は、家族や友人と強い絆を築くこと、目的意識を持つこと、他人と自分を比較しないこと、すでに持っているものに感謝することなど、収入以外の要素に左右されるものだ」と語っている。(HealthDay News 2023年11月2日)

https://www.healthday.com/health-news/money-can-make-life-more-satisfying-survey-shows

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