コロナの感染拡大による在宅勤務や生活スタイルの変化により、20~30代の若い人たちの間で、つみたてNISA口座を開設する動きが急増した。そして、2024年からは新NISAがスタートする。本連載では、新NISAをきっかけに投資や資産形成を始めてみたいという人に向けて、失敗しないためのポイントをわかりやすく解説していく。『新NISAはこの9本から選びなさい』(中野晴啓著、ダイヤモンド社)の内容を基に、一部を抜粋して公開する。「新NISAってなに?」というビギナーの人でも大丈夫。基本的なところからわかりやすく説明するので、ぜひ最後までお付き合いください。
積立額の変更や、休止も可能に
前回説明したように、いくつかの注意点がある「新NISA」ですが、各種変更については意外と自由にできます。
たとえば、つみたて投資枠の場合、毎月の積立金額は非課税枠の関係上、月々10万円までですが、その範囲内であれば、自由に変更できます。
たとえば、今まで月10万円だったのを、少し給料が減って生活が苦しいから5万円にするのはもちろん、どうしても現金が必要になった場合は、これまで積み立ててきたものの一部を中途解約することも可能です。
また、一時的に積み立てを休止させることも可能です。
「しばらく積み立てを続けていく経済的なゆとりがない。けれども今まで積み立てた分は非課税で運用を継続したい」という場合は、積み立てを休止し、その後状況が変わったら再開するという選択肢もあります。
つみたて投資枠、成長投資枠の両方とも、売却や解約をした場合、翌年には非課税枠が回復しますから、投資している商品の入れ替えや再投資も比較的容易になります(下図)。
また旧来のNISA制度では、年間投資枠を使い切れなかった場合、余った枠を翌年に繰り越すことはできませんでしたが、新制度では生涯の時間軸で1800万円の生涯投資枠を自在にコントロールできるので、各人のライフプランに応じて無理のないペースで非課税枠を無駄なく活用できるようになります。
なかのアセットマネジメント株式会社 代表取締役社長
1987年明治大学商学部卒業。セゾングループの金融子会社にて債券ポートフォリオを中心に資金運用業務に従事した後、2006年セゾン投信株式会社を設立。2007年4月代表取締役社長、2020年6月代表取締役会長CEOに就任、2023年6月に退任。
2023年9月1日なかのアセットマネジメントを設立。
全国各地で講演やセミナーを行い、社会を元気にする活動とともに、積み立てによる資産形成を広く説き「つみたて王子」と呼ばれる。公益社団法人経済同友会幹事他、投資信託協会副会長、金融審議会市場ワーキング・グループ委員等を歴任。
著書に『最新版 つみたてNISAはこの9本から選びなさい』(ダイヤモンド社)他多数。