【問題の都バス路線その5】
経営難でも自治体補助で問題なし?
「梅70」青梅車庫~花小金井駅北口
「梅70」系統は、小平市の花小金井駅から東大和市、武蔵村山市、瑞穂町、青梅市と4市1町を東西に貫く、都営バスで最長距離(約28km)の路線だ。戦後の復興が立ち遅れていた多摩地域の振興のために熱望されていたこともあり、1949年に開業した際は青梅町(2年後に町村合併で市政施行)が盛大な花火大会を開催したことからも、その喜びようがうかがえる。
何を隠そうこの路線は、赤字額1.9億円で全127系統中ワースト1位である。しかし80年に路線を再編した際に、赤字額の3分の2を沿線自治体が補助する協定を結んでおり、およそ1億円強の補助金によって何とか存続している。恐らく、この状態がしばらく続くだろう。
ただ、99年には武蔵村山市が補助金の拠出に難色を示すなど、これまで危機がなかったわけではない。また、2015年度に西東京市が協定を離脱し、西武新宿線・柳沢駅~花小金井駅間が区間廃止となっている。そして30年度半ばには多摩都市モノレールが新青梅街道沿いに武蔵村山市・瑞穂町まで延伸される予定であり、至近距離の青梅街道を走る梅70は、また区間短縮が検討されるかもしれない。
8段落目「1997年に開業した南北線・都営銀座線の溜池山王駅」→「1997年に開業した南北線・銀座線の溜池山王駅」
(2023年12月1日12:09 ダイヤモンド編集部)