②抱え込みタイプ

このタイプはメンバーをサポートすることを重視しており、指示や依頼が苦手な人が陥りやすいパターンです。ちょっとした仕事を「やっておくよ!」と引き受けて自分で処理してしまいがちで、マネージャーとしての業務に加えてメンバーの業務も行うので、深夜や週末まで仕事をしないと終わらない……というようなワーカホリック状態になってしまいます。

メンバーから見ると「丁寧にケアしてもらっているが物足りない。もっと任せて欲しい」と思っていることもしばしばです。話を聞いてみると本人はマネージャーとして価値を出せる自信がないと感じているケースが多くあります。

③無関心タイプ

こちらはメンバーの存在に関心が薄く、業務状況をあまり把握していないタイプです。コミュニケーションが場当たり的になり、言っていることが変わりやすいという印象を持たれます。メンバーと話すときしかメンバーのことを考えておらず、チーム全体として成果を出すのではなく、自分ひとりでなんとかする前提で仕事を捉えてるケースが多いです。

メンバーは何を求められているか分からないため混乱し、結果として何とか成果を出すために迷走してしまうケースが多くあります。

新任マネージャーが意識すべき「内省習慣」と「傾聴習慣」

どのタイプも、もともとの性格によって表出する課題が異なっているだけで、根本の課題は同じところにあると思います。それはメンバーを「信頼する」ということです。「信頼される」ことはリーダーにとって重要な資質ですが、「信頼する」こともまたマネージャーの重要な能力です。

ただ、言うは易く行うは難し。「よし、今日からメンバーを信頼しよう!」と思ってできるものでもありません。また「メンバーが成長してくれないと信頼できない」と思っていても状況は変わらないので、自分自身の習慣から変えていくことが必要です。

マネージャーが意識して取り入れるべき習慣のひとつは、内省習慣です。

マネージャーになり忙しくなった結果、自分ひとりで考える・振り返る時間を取れないという人は非常に多いと思います。ただ、流れていくように毎日仕事をしているとなかなか経験から学ぶこともできないので、日常の中にマネジメントについて内省する習慣をつくります。

紙に書くもよし、マネージャー仲間に相談するもよし、プロのコーチをつけるもよし、手段はひとによってさまざまだと思いますが、コツは「自分の中に問いを持つ」ことです。

漠然と考えるのではなく「最近メンバーを信頼できなかった瞬間は?」「本当はどうすべきだったと思うか?」など、自分に問いかけることが重要です。いわゆるセルフアウェアネスを高めるために、問いの中でメンバーを信頼していない自分自身に「自覚的になる」になるトレーニングをします。