ダイバーシティという面でも、外国人だけじゃなくて多様な人たちがいるので、そういう環境で切磋琢磨しながら、技術的にも高いことがプロジェクトとしてハイレベルでやれます。そういうことが好きな人と、スタートアップで「PRがいないから俺がやります」「私がコード書きます」と何でもやってそれで結果を出す人とは、ちょっと違うところがあると思うんですよね。そういう意味ではだいぶ変わってきています。

──確かにコーポレートサイトを見ても、社外人材を役員登用する割合は減ったように見えます。人材が社内で育ってきているということでしょうか。

そこはすごくいいところです。新卒もすごく活躍していますし。これぐらいの組織でプロジェクトマネジメントするのはやはり、いろいろなスキルセットが必要で、日本だとあまりいないんですよね。ずっとスタートアップにいても身に付けられない。だからGoogleだとか、グローバルなところにいるような人が来たり、そういう人が別の人を育てたり、結構いいサイクルになっているかなと思っています。

──新卒はどれくらいの規模で採用されていますか。また、どういう会社から来られる方が多いですか。

あまり長期的な目線で新卒採用ができていなくて、全体から見れば、数十人いるかどうかというぐらいです。

コロナ前、5年ぐらい前にはインターンなどから採用をしていました。あの頃、外国人採用でインド工科大学(IIT)から新卒で入ってきた人たちは今、マネジャーやディレクター、VPまでいっている人もいます。でもその後は、エンジニアではインターンで入ってくる人がたくさんいるんですが、あまり計画的にできていません。そこはちょっと、ちゃんとやろうと今動いている感じです。

どこから来ているかという話でいうと、ビッグテック系が多い気がします。直近でなくても何社か前はGoogleだったとか、そういう人は多いように思います。プロジェクトマネジメントやテクニカルPMができる人はなかなかいないので、どこかで経験している人が多い感覚はあります。

──ミッション・ビジョン・バリューでうたうスタートアップマインドをキープしながら、いわゆる大企業に近い規模でスキルセットを得たキャリアの人たちが入ってきて組織を回すのは、カルチャーとスキルセットがマッチしないという印象があります。ですが、(決算などを見ても)組織は成長しています。

テクニカルな手法はいろいろありますが、やっぱり、どれだけ大胆なことをやるのか、人のやらないことをやっているのか、そういうことが評価される組織ではあります。そういうところは採用時にも見ますし、評価時にも見る。となると、あんまりコンサバティブな人はやりづらい会社ではあると思います。