部署によっては「ちゃんとやらなければいけない」というところもありますが、少なくともエンジニアリング、プロダクト、あるいはPRとかもそうかもしれませんが、チャレンジによって伸びる可能性があるところでは、やはり大胆さが要求される傾向があります。

「最後に行き着くのは人の可能性」と考えてつくった新ミッション

──あらためて、10周年以降のメルカリはどういう会社になっていくんでしょうか。

新しいミッションを決めるにあたっては、かなり長いディスカッションをして、いろいろな意見があって、もうまとまらないんじゃないか、という感じでしたが、最後に「やっぱり人だよね」と。

「循環型社会」とかはあるんですが「社会を作る」というより、その先にある「自分が誰かの役に立っている」とか自分が社会に対して価値を提供できているということは、自分の可能性が広がることだと思うんです。そういうところまで考えたいよねというのが、今回決めたミッションです。

循環型社会というだけだとどうしても、モノの循環とか、そういうところに閉じてしまう部分もある。でもそうじゃなくて、今はメタバースもあれば、ブロックチェーン、NFTのような目に見えないものもあります。そういうところまで踏み込んで考えていくと、人の可能性みたいなところに最後に行き着くんじゃないかと。

それでどうなるかはわからないところもありますが、みんながビットコインを持つサービスを作ったら、何かその先で面白いことがあるんじゃないかとか、そういうレベルで実装していこうと。

メタバースも何かを具体的に目指してやっているわけではないですが、すごく可能性があると思っているから注視はしています。バーチャルワールドの中で自分の可能性が開くこともあると思うので、そういう意味での拡張というのはまずミッションとしてあって。

「もうわけわからないじゃん」という感じですが、5年たって「こういうことはやっていかなきゃいけないことだった。やっててよかった」というのが見えてくるといいなと考えています。

──「メタバース」という言葉も出ました。そのあたりも事業として視野に入れているのでしょうか。

単純に、今はもう仕事も物理的な世界だけじゃなくてバーチャルワールドの中でやるなど、まだまだ進化があるだろうと思ってはいます。そうするとどんどん、リアルではない世界で生きている時間の方が長くなっていくじゃないですか。

今でもFortniteの中でスキンに命をかけている、というような人も出てきている。そういうリアルじゃないものに価値が出る世の中で、その価値を交換する、売買するというところに、やはりメルカリも絡んでいきたいんです。