おかずは日中に前もってまとめて作っておき、冷凍してストックするように業務のやり方を変えた。そうすることで早朝に一から調理をする必要がなくなり、お米や凍らせたおかずを容器に詰めるだけで済むように。結果として8時から作業を始めても十分に間に合い、人手も2人いれば対応できるようになった。

独自技術で汎用性の高さを実現、熱々の料理もそのまま冷凍可能に

アートロックフリーザー
デイブレイクが開発する冷凍機「アートロックフリーザー」

デイブレイクの特殊冷凍技術は、冷風を用いた急速冷凍(エアブラスト)技術をさらに発展させたものだ。

食材を冷凍する場合、0℃〜ー5℃の温度帯(氷結晶生成温度帯)を通過する際に細胞に含まれる水分が氷に変わる。通常の冷凍技術では氷の結晶が大きなひずみになることで細胞を破壊してしまい、うまみ成分の破壊や変色を引きおこす原因となっていた。

それに対して急速冷凍では素早く水分を凍らせることにより、氷の結晶を小さくし、細胞の損傷を極小化する。そうすることによって、うまみ成分の流出を防げるわけだ。

デイブレイクではこの技術を基としながら、冷風の温度や風の当て方などを独自に研究。調理済みのあたたかい食品や、形状維持などの観点で冷凍が難しいと考えられていた食品の急速冷凍を実現した。

「従来は冷たい温度の強烈な風をガンガン当てれば早く冷凍でき、品質が高くなると考えられていました。それは間違いではないのですが、食材にダメージを与えてしまい、冷凍の対象となる食材が限られてしまう可能性がある。そこで優しい風を当ててみるのはどうかと試してみた結果、工夫次第では米の立ち方や魚の色といった品質の向上を見込めることがわかりました」

「自社製品で特徴的なのが風を送るファンの数で、この部分をものすごく研究しました。一般的な製品ではファンは3枚程度ですが、当社のファンは倍以上。小さな気流を大量に発生させることで優しい風が食材に満遍なく当たり、食材へのダメージを抑えることができる。冷凍ムラがなくなることで、凍結完了までの時間を短縮する効果もあります」(木下氏)

従来の方式とアートロックフリーザーの違い
従来の方式とアートロックフリーザーの違い。冷風の温度や風の当て方などについて研究を重ねたという

急速冷凍の手法としては冷風の他にも液体や窒素ガスを用いるものもある。デイブレイク がその中から冷風を選択しているのは、コスト面や汎用性の観点が大きい。

窒素ガスは大量の食品を冷凍する際などに適している反面、冷凍時の電気代やガス代といったランニングコストが高くなりやすい。冷風を基にしたアートロックフリーザーでは、窒素ガスを用いるケースと比べて「1キロの食材を冷凍する際のコストを10分の1以下に抑えられる」ため、小規模な事業者でも導入を検討しやすい。