また、健康の悩みや生活の課題は人それぞれ異なる。そこで1人1人が適切な栄養を摂取できるように“パーソナライズ”の仕組みを取り入れることにした。

「多くの人は『野菜を摂らなければいけない』と思っているものの、何の野菜を摂ればいいか分からないんです。であれば、生活課題と身体の悩みからパーソナライズされたスムージーを提供すれば、必要な野菜の栄養素が摂取できると思いました」(田邊氏)

そした田邊氏は管理栄養士による監修のもと、60種類以上の野菜やフルーツ・スーパーフードから配合した、全25種類のレシピを考案。

 

その後、アルコールブライン凍結機による「急速冷凍機」を保有する、高品質青果物の仲卸業者「泉州屋」にOEM生産を依頼し、2020年3月にGREEN SPOONをリリースした。

今後は第2弾、第3弾の新商品も

「野菜やフルーツを自宅で簡単に摂ることできる」「食事の置き換え=1食分の食事として楽しめる」といった点が人気を集め、リリースから5カ月で累計契約者は6300人を突破。7月からは3カ月連続で期間・個数限定の新レシピ1種(計3種)を連続リリース、8月には伊勢丹新宿店にてポップアップストア「THE FROZEN CLINIC」をオープンした。

また、毎月決まった個数が届くサブスクリプションプランの購入者が全体の85%を占めるものの、Greenspoonは「冷凍庫内でより効率的に収納したい」というユーザーの声をもとに従来のカップタイプと比較して薄さを約1/3にしたパウチタイプの販売を開始している。

「新型コロナウイルスの感染拡大による在宅時間の増加で、自宅で野菜を摂るためにGREEN SPOONを利用し始めた人は多いと思いますが、個人的にコロナ禍で伸びたわけではないと思っています。女性の社会進出や高齢者世帯の増加で宅食や冷凍食品の市場は伸びていますし、ここ数年でヘルスケアの意識も高まっている。GREEN SPOONは『ヘルスケア×宅食×冷凍食品』をミックスした市場をとらえることができているので、サービス開始後から数字が伸びていっているのかと思います」(田邊氏)

現在は「スムージーブブランド」を展開しているGREEN SPOONだが、田邊氏は「自分たちはスムージーブランドだけで終わるつもりはありません」と言う。会社のミッションである“たのしい食のセルフケア文化を創る“ことを目指し、今後、第2弾、第3弾の商品を順次リリースしていく予定だ。