次は何をするか考える中で、田邊氏はセブ島への英語留学事業を手掛けている人を紹介してもらう機会があり、それをきっかけに2週間のセブ島留学を決意。セブ島で英語を勉強していた田邊氏だったが、現地で出会った韓国人から言われた「なぜ日本人は身体を鍛えないの?」という言葉にハッとさせられる。

「会社で働いていた頃は、とにかく仕事、仕事、仕事の毎日で身体を鍛える時間をとったことはありませんでした。でも韓国の人たちはライフワークとして当たり前のようにトレーニングしている。彼らの影響を受けて自分も週6でトレーニングしてみたら筋肉もつき、結果的に自分に少しだけ自信を持つことができたんです」(田邊氏)

そこで自分の身体をマネジメントすることの大切さを知った田邊氏は、セブ島から帰国後もトレーニングをライフワークとして取り入れる日々を過ごす。

海外へ一人旅することで知った「予防医学」の考え

帰国後は広告運用、制作のフリーランスとして働きながら、起業のアイデアを考えていた田邊氏だったが、手応えのない日々が続く。「ベンチャーキャピタリストやエンジェル投資家に事業アイデアを話してみては打ち返されていました」と彼は語り、起業する覚悟も決まらず、フリーランスとして働き続けることに。そんな田邊氏だったが、旅好きの友人に影響され、悶々と悩み続ける自分と向き合うため、海外へ一人で旅することを決める。

スペインやフランス、アメリカ、オーストラリアなどの国を訪れ、各国の人たちと話をする中で田邊氏が感じたのが「予防医学」の意識の高さだった。

「日本は保険制度が整っており、医療費は3割負担のため何かあったら病院に行く“治療医学”の思想が強いのですが、海外では医療費が高額なため“予防医学”の思想が強いんです。多くの人がライフワークとしてトレーニングを取り入れていますし、また野菜やフルーツを多めに摂るなど、食事に対して意思を持っています」

「ただ、日本は忙しい人ほど食事に意思がなく、お腹が減ったら近くのコンビニに行ってお弁当を買ったり、ファストフードを食べたりしている。身体が一番の資本のはずなのに多くの人が身体のマネジメントをできずにいます。一方、海外の人たちは予防医学の意識から自分の身体をきちんとマネジメントしていて、結果的に身体も健康であると同時に心も豊かになっているんです。そんな日本と海外のギャップに気づき、日本でも日々の食事を気遣い、身体のマネジメントをする人が増えるべきだと思いました」(田邊氏)