そんなback checkの運営元であるROXXは12月7日、One Capitalを引受先とした総額2億円の資金調達を実施したことを明かした。今回の資金調達により、同社の累計調達額は約24億円となる。また、今回の発表に併せてベンチャーキャピタル(VC)の投資先スタートアップ向けプラン「back check VC連携プラン」の提供を開始した。

back checkと提携した国内主要VC16社
back checkと提携した国内主要VC16社

同プランでは、第1弾として国内主要VC16社と連携を実施。これによりVC各社は、スタートアップへの投資を実行するにあたって無料でback checkを使って起業家のリファレンスチェックが行えるほか、VCの投資先は累積調達額に応じて最大75%引きでback checkを利用できるようになる。

今後、ROXXはback checkへの事業投資を積極的に行っていくほか、国内企業の採用活動におけるリファレンスチェックの浸透に取り組んでいくという。

“ダメな人”かどうかを見極めるサービスではない

「この1年でリファレンスチェックへのイメージが変わってきました」

ROXX代表取締役の中嶋汰朗氏は昨年を振り返り、こう語る。back checkのベータ版がリリースされたのは2019年1月。その後、導入企業からのフィードバッグを踏まえてサービスを改善したり、新機能を追加したりして2019年10月に正式版をリリースした。

中嶋氏によれば、当時リファレンスチェックサービスに対して企業側が抱くイメージは「リファレンスチェックを依頼したとして、きちんとした回答が得られるのか?」「そもそもリファレンス自体取得できるのか?」というものが大半だったという。

そうした声があがる中、ROXXはback checkで取得できる情報の量と質を強化した。具体的には、質問の種類を増やすことで採用候補者の経歴や前職での実績、チームの様子などの「過去の実績」を知るだけでなく、採用候補者の特徴が自社のカルチャーに合うか合わないか、入社後にどんなチームであればパフォーマンスを最大限発揮できそうかという、「未来」の可能性を測るようにしていった。

「サービスを開発したばかりの頃は、採用候補者が経歴を詐称していないかどうか、いわゆる『嘘を見抜くためのチェッカーツール』として認知されていました。ただ、それでは採用候補者が“ダメな人”かどうかを見極めるだけのサービスになってしまう。それは自分たちの本意ではありません。採用のミスマッチを防ぐための手段としてリファレンスチェックが普及していくべきだと思っていたので、採用候補者の合否判断だけでなく、その人のことを一歩深く知れる質問設計にこだわっています」