転職保証・成果報酬型で職能教育を行うプログラミングスクール等の需要拡大や、Newspicksの「NewSchool」、GOの「THE CREATIVE ACADEMY」などスタートアップのスクール領域参入も増えました。私たちの運営する「SHElikes」もその一つです。コロナによって教育のデジタル化も加速し、サービス体験時間の細切れ化や在宅学習が主流になったことで、今後更にこの領域の需要は高まっていくと感じています。
また投資環境でいうと、BASEやheyに始まり、スタートアップが続々と2桁億円以上の大型資金調達をする事例が目立ちました。海外の機関投資家からの調達も多く、より選択肢がグローバルに広がっている事を感じる年でした。
- 2021年のトレンド予測
2020年は、コロナやアメリカ大統領選挙によって、より個人の分断や格差が助長されてしまった年でもありました。こうした背景を踏まえ、2021年は、孤立化した個人を繋ぐ「コミュニティテック」領域が盛り上がる事を期待しています。
余暇時間の増加と希薄化された所属欲求を埋めるニーズが加速していく中で、オンラインで誰とでも繋がれるからこそ、よりパーソナルマッチした所属コミュニティの選択が可能になり、コミュニティ起点での新しい働き方や共創体験が加速すると考えています。また、ANRIなどD&Iに力を入れるVCも徐々に現れている事から、2021年は更に起業家・投資家の女性比率が増え、スタートアップダイバーシティが生まれてくる事も期待しています。
アル代表取締役CEO 古川健介氏
- 2020年の振り返り
デジタル化が進んでいくだろうけれど、時間がかかりそうだったものが急激にデジタル化した年だと思います。例えば、仕事の会議はもちろん、採用面接や投資のピッチ、ヨガのレッスンや音楽ライブを、習い事などです。「可能ではあるけど、全然やりたくない」と僕ですら思っていたのですが、今年はすっかり当たり前になりました。ITに慣れていない人でも、英語のレッスンや会議などをデジタル化しており、浸透したと思っています。5年かかりそうなものが、1年で来た、という印象です。
当然、新型コロナウイルスの影響でそうなったのですが、1年近くやった結果「もうこれでいいよね」というものも増えてきているので、みんなの当たり前がアップデートされてデジタル化に向かった年だと感じています。
- 2021年のトレンド予測
ライブがさらに一般的になると予想しています。2010年代はモノ消費からコト消費に変化した時代でしたが、2020年代は“トキ消費”になると言われており、今この瞬間にしかない生のものの価値があがっていくのではないかと思います。その中で出てくるのが「プロセス・エコノミー」です。アウトプットでのマネタイズだけではなく、プロセスそのものを生で出して、お客さんとやり取りをするところですでにお金が回る、というものが出てくると予想しています。