1冊の書籍を何日もかけて読むと、要点を忘れてしまう――。そんな悩みは、全体像を描けるように読む順番を変えるだけで解決できるのです。その具体的な方法とは? マグ『1%読書術 1日15分の知識貯金』(KADOKAWA)から一部を抜粋・編集し、効率的かつ楽しみながら読書するコツを紹介します。
読書中、迷子にならない簡単な対策
本を読んでいるとき、次のように迷子になった経験がある人も多いと思います。
「あれ、この本で何を学ぶんだっけ」
「そもそも、どんな本なんだっけ」
これは当然のこと。1冊の書籍を読むのに仮に1週間かけたとしたら、初日の記憶は薄れているため、何の本か忘れてしまいます。
私はこれを何度も経験しており、その度に「この本は読まなくていいか……」と読み進めるのをあきらめました。
ですが、実は解決策はシンプルで、全体像を描けるように読む順番を変えるだけでよかったのです。
「(1)はじめに→(2)おわりに→(3)目次→(4)本文を好きなように読む」が私のおすすめの順番です。
「はじめに」には、書籍の全体像が書かれています。
詳しくは本書『1%読書術 1日15分の知識貯金』で確認していただきたいのですが、「はじめに(P2)」には、章立ての紹介や、この本を通して伝えたい目的を記載しました。
多くの書籍の「はじめに」にも、同様に章立ての紹介や伝えたいことが書かれていることでしょう。書籍にとってのコンパスのような場所なのです。
また、「おわりに」には書籍全体の総括がされており、ゴールが明記されています。書籍の全体感への理解をさらに深くすることができます。
全体感を理解できていると、頭に章立てが浮かぶようになり、迷子になりづらい状態に。
そこから、「目次」を読むことで本文の流れを予測できるので、ゴールに向かってブレずに読むことができるのです。
「この本は、読書術を解説する1冊なんだ」「今読んでいるのは、具体的な理由の部分だ」と、本の地図を思い浮かべながら読むことができれば、スムーズに目的地にたどり着くことができます。
そもそも、人の脳は無駄なエネルギー消費を避けるように設計されています。
そのため、先が見えない、予測できない状況で接する情報には、どれが重要でどれが重要でないかの判断をする機能が活性化しないのです。
そこで、読む順番を変え、全体感を把握することです。脳は、その全体像を詳細に完成させようと、勝手に働き出してくれます。
「ここは大事だよ、不知のポイントだよ」と、優先的に教えてくれることでしょう。
脳は、欠けた知識を補強したくなる性質を持っています。
読む順番を変え、全体感を事前に植え付けることを意識してみてください。