どの世代が損をしたか?氷河期部長&課長の憂鬱 出世・給料・役職定年#27Photo by Masataka Tsuchimoto

国内製薬会社でしのぎを削る武田薬品工業、アステラス製薬、第一三共。今回は、年収が高い製薬業界の中でも、特に高給の企業として知られる3社を取り上げる。各社の中で、それぞれ年齢別に年収を比べた場合、団塊・バブル期・就職氷河期・ゆとり世代のうち、どの世代が恵まれていたか?特集『どの世代が損をしたか?氷河期部長&課長の憂鬱 出世・給料・役職定年』の#27では、20年間を10年刻みにして、5世代の年収と主要64社内のランクの推移を初試算。シビアな成果主義の武田は年配社員が優位だが、氷河期や若手世代はいかに。さらにアステラス、第一三共の勝ち組、負け組はどこか?(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)

高給企業として知られる武田、アステラス、第一三共
製薬大手3社、それぞれの世代別年収は?

 国内の製薬関連売上高トップ3の武田薬品工業、アステラス製薬、第一三共は、いずれも平均年間給与が1000万円を超えており、年収が高い製薬業界の中でも特に高給の企業として知られている。

 武田はクリストフ・ウェバー社長兼CEO(最高経営責任者)の下、近年急速にグローバル化を進めた「イケイケ」の社風。アステラスも、武田ほどではないが大胆な組織変革を遂げた「準イケイケ」。両社とも近年、頻繁にリストラを行っている。また特に幹部クラスで人材の流入、流出が目立つ。

 一方、第一三共は前の2社と比べると「おっとり」した社風だ。年功序列的な組織運営など、日本的かつ保守的な姿勢が色濃く残る。報酬面でも比較的フラットな組織となっていて、人材の流動性も前の2社と比べれば目立たない。

 今回はそんな武田、アステラス、第一三共を取り上げる。3社の中でそれぞれ、年齢別に年収を比べた場合、団塊・バブル期・就職氷河期・ゆとり世代のうち、どの世代が恵まれていたか?ダイヤモンド編集部は、20年間を10年刻みにして、5世代の年収と主要64社内のランクの推移を初試算した。

 2000年代から現在までの、20代、30代、40代、50代といった現役世代から、60代と70代のOB世代までが対象。「それぞれの世代はこの20年で給料を幾らもらっていたのか」「その会社の中ではどの世代が得をしたのか」「日本企業の中での序列は高かったのか」が、残酷なまでに浮き上がる47項目のデータとなっている。

 試算の結果、シビアな成果主義の武田は年配社員が優位だが、氷河期や若手世代はどうか。さらにアステラス、第一三共の勝ち組、負け組はどこか?また、専門家による5年後の予測年収の試算も併せて掲載した。次ページで確認しよう。