2024年1月からついに開始される「新NISA」。この機会をきっかけに投資をはじめてみようと考えている人も多いのではないだろうか。そんな新NISAは、実は初心者が投資をはじめるのに最適な制度と言える。だが、落とし穴がないわけではない。目先の利益に執着してしまったり、経済の動向を見て焦って投資をやめてしまったりする人も少なくない。
そんな課題を解決するために発刊されたのが『新しいNISA投資の思考法』だ。本書はこれまで37万人の資産運用を見続けてきたウェルスナビ・CEOの柴山和久氏が投資に必要な考え方を1冊にまとめたまさに決定版だ。本記事では本文の一部を抜粋してお届けする。
お悩み:子どもの学費をなるべく低リスクで増やしたい
今回は一般的だと思われる事例を通して、NISAの活用方法を解説する。
今回のケース
38歳女性
家族構成:38歳の夫、8歳の娘
資産運用に興味を持ったきっかけ
今回のご相談者のご一家は最近、マンションを購入したばかりです。35年の住宅ローンを組み、繰り上げ返済を目指しています。
住居費以外にも、最近、娘の教育資金について夫婦で話し始めました。大学進学までの学費を考えると、そろそろ準備する必要があります。高校までは公立の学校に通うとして、学習塾代を含めてもいまの収入で何とかなりそうですが、大学の入学金や学費が心配です。
改めて資産を見直してみたところ、数年前に、テレビCMで興味を持って少しだけ購入したFX(外国為替証拠金取引)が大きく値上がりしていました。ただ、チャートを見ると少し前には大きく値下がりしていたことがわかり不安なので、換金しておくことにしました。
FXの利益で50万円ほどは確保できました。大学の入学金や学費を考えると、あと10年で300万円は貯めることが目標です。減ると困るので、できるだけ安定して増やせる方法を探したいと考えています。