圧倒的に面白い」「共感と刺激の連続」「仕組み化がすごい」と話題の『スタートアップ芸人 ── お笑い芸人からニートになった僕が「仲間力」で年商146億円の会社をつくった話』著者・森武司氏は2005年の創業以来18年連続増収増益を達成し、年商146億円となった。ここまで会社を成長させてきた秘密は何か? 本書からより深い学びを得ようと、インタビュー企画を実施。今回、本書を読み解くのは、チャンネル登録者数累計195万人超え!大人気YouTuberのコヤッキー氏だ。コヤッキー氏は仲間を大切にすることで知られ、40人超のスタッフの中には仲間へ健康的な食事をふるまうコックもいる。コヤッキー氏は、2023年1月にKT Zepp Yokohamaで行われた「いくしまる万博2023」(チャンネル登録者488万人のヒカルさん、都市伝説や音楽系大型インフルエンサーを巻き込んだイベント)を開催。1200人を動員し大成功を収めた。コヤッキー氏は『スタートアップ芸人』をどう読み解いたのだろうか?(構成・橋本淳司)

仲間Photo: Adobe Stock

実はやる予定ではなかった「いくしまる万博2023」

僕たちは普段YouTubeで都市伝説を話したり、漫画・アニメを考察したりしています。
その一方で、音楽活動もしています。

「都市伝説が好きだからチャンネルを見ている」
「『ONE PIECE』が好きだからチャンネルを見ている」
という人たちを、いかに僕自身や相方のとーやくんのファンにするかが永遠の課題です。

その課題を解決する方法として思いついたのが音楽でした。

なぜ、音楽なのか。
アイドルやタレントが不祥事を起こすと、イメージ回復までに時間がかかりますが、アーティストは復活が比較的早い。
それは個人にファンがついている証拠です。

ただ僕たちが音楽活動をするからといって、趣味のレベルではファンはついてきてくれません。
本気度を示す必要があります。

そこで「KT Zepp Yokohama(以下Zepp)」を満員にするという明確な目標を立て、早めに会場を押さえました。
Zepp(1階、2階)の収容人数は着席時で約1200人です。

正直、ものすごくハードルは高かったのですが、この時点では、とーやくんには内緒にしていました。 あとからサプライズで発表しようと思っていたので。

ところが、開催半年前になって、とーやくん中心の音楽プロジェクトが休止となってしまいました。

会場をキャンセルしたら、2度とZeppは使わせてもらえないだろうし、一番怖いのは僕自身の信用が失われること。

告知開始まで2か月を切っていたので、どうしたら1200人というキャパを埋められるか、死ぬほど考えました。

本当にきて欲しい人を仲間にするには?

その結果、会社のコンテンツ力を最大限活かして、いろんなチャンネルを合わせたフェスを開催しようと思ったんです。

都市伝説系の「コヤッキースタジオ」(チャンネル登録者数121万人)、マンガ・アニメ考察系の「コヤッキーチャンネル」(チャンネル登録者数56万人)、雑談系の「コヤッキーVlog(仮)」(チャンネル登録者数18万人)、それぞれのファンが「夏フェス」に行くような感覚で参加してくれるのではないかと思いました。
そういうことをやったYouTubeの運営会社はこれまでなかったと思います。

ただし、僕たちだけの影響力で1200人集客できるか未知数だったので、確実にお客さんを呼べる人として「ヒカルくん」(YouTubeチャンネル登録者数488万人)をキャスティングさせてもらいました。

多くの人に、
「よくヒカルさんに出てもらえましたね」
「どうやって頼んだんですか」
と聞かれます。

『スタートアップ芸人』では著者の森武司さんが、多くの優秀な人材を次々に仲間にしていく様子が描かれています。

森さんは、
本当にきて欲しい人にきてもらうには、相手の心にワクワクのタネをまき、じっくり水をあげる
と言い、この方法で元デロイトの9割打者、ずば抜けたIQを持つ銀行マン、孫正義さんと北尾吉孝さんから絶大な信頼を得た金融マンなどを仲間にしています。

どうやってヒカルに直談判したか?

僕も誰かを仲間にするには、自分の夢を直接相手に伝えることが大事だと思っています。

そもそも「いくしまる万博2023」は「YouTuberってこんなに夢があるんだ」ということを多くの人にアピールする場として企画しました。

とーやくんはヒカルくんに憧れてこの世界に入りましたし、僕はとーやくんに誘われてYouTuberになりました。

つまりコヤッキーというYouTuberは、ヒカルくんがいたから誕生しているんです。
だからヒカルくんと一緒にやりたい。
ヒカルくんに直談判してその思いを伝えたら「断る理由ないです」と言ってくれました。

ヒカルくんとの交友で気づいた自分の「仲間力」

絶体絶命からの大逆転ですが、カッコいいことには必ず裏があるんです(笑)。
それからヒカルくんと仲良くさせてもらっています。

おかげさまで「いくしまる万博2023」が好評だったので、早々にヒカルくんのチャンネル「ヒカル(Hikaru)」にゲストに呼んでいただいて、出演までの裏話をしたり、僕らの知名度が上がるような企画も考えてくれました。

ヒカルくんからはもちろん学びしかないですが、自分たちがやっていることの良さにも気づきました。 自分のことって、意外と自分ではわからないですから。

ヒカルくんにゲストにきてもらったとき、うちのスタジオの規模感に驚いていたんです。

「YouTuberで40人のスタッフを抱えて、こんなに組織的にやっている人は見たことない」と。

なぜスタジオにコックがいるのか?

なにしろ僕のスタジオにはコックもいます。

質の良い動画を健康的に作り続けるには、おいしい食事が必要なので絶対コックは必要です。

コンビニの食事ばかりでは栄養は偏るし、お金も使っちゃいます。
スタッフと一緒に食事に行くと僕が払うんですが、月に50万円くらい使っていました。
それならおいしいご飯を作れる人を一人雇った方がいいという発想になりました。

僕がたくさんスタッフを抱え、彼らを大切にしているところを見て、ヒカルくんも、 「インスパイアされた」 「自分の会社を変えたい」 と言ってくれました。

『スタートアップ芸人』には著者の森さんが、仲間を成長させるルールや仕組み、仲間との絆を深める仕組みを具体的かつ実践的に書いているので、ヒカルくんにも紹介したい1冊です。

【Zepp1200人超満員の謎】コヤッキーの突然の呼びかけにヒカルが緊急出演した理由
コヤッキー
YouTuber
「コヤッキースタジオ」、「コヤッキーチャンネル」、「コヤッキーVlog(仮)」を運営。 1983年、静岡生まれ。高校卒業を機に、大阪の専門学校に進学。卒業後はデザイン事務所に勤め、デザイナーとして活動。 その後、勤めた会社で営業成績最下位だったとーやと出会い、コンビを組んでYouTubeを始めることとなる。 現在は登録者数120万人を超える「コヤッキースタジオ」を始めるとする複数のYouTubeチャンネルを運営しながら、音楽活動、飲食店経営など幅広い事業展開を行う一経営者としての顔も持つ。