消費税が上がってもマンションの価格が上がらない理由 1
〜デベロッパーの価格決定メカニズム
よく見るマンションの価格表の例です。この場合4000万円は総額表示しなければならないので、これは税込み価格です。
そしてモデルルームオープンから、販売価格決定まではあくまで「予定価格」です。当初はあくまで、税込みの総額でお客様がいくらまでついてこられるかを見極めているのです。予定価格を提示する理由はなるべく高く売りたいからです。
そして、その予定価格を調整して売れる価格に調整して税込み価格を決定します。デベロッパーもなるべく消費税を払いたくないので、消費税のかからない土地価格をなるべく高く設定したいのです。
このようなシステムなので、総額の価格を決定したあと、なるべく高く土地価格を設定します。そして残ったのが税込み建物価格なのです。その建物価格を割り戻し建物本体価格と消費税額をわけるのです。価格決定のプロセスを整理すると、
税込み総額→土地価格→税込み建物価格→消費税額
となります。この順番で決まるために消費税が何%であろうと税込みの総額は変わらないのです。これがデベロッパーの価格決定システムの実態なのです。
消費税が上がる前に駆け込みで買ってしまう人は
土地価格+税抜き建物価格+消費税→税込み総額
と考えてしまうからです。またそういう風に営業マンが煽るからです。それに乗ってはいけないのです。結局消費税が上がった分はデベロッパーが負担することになり、デベロッパーの売上げが減り(売り上げは当然税抜き)、利益が減ることに他ならないのです。
消費税が上がってもマンションの価格が上がらない理由 2
〜駆け込み需要の後には「反動」が待つ
消費税が上がっても価格は上がりませんが、上がると勘違いする人はいるので「どうせ買うなら」と考える人が時期を前倒しして買う人が増えるのも事実です。前倒しして買うということは「需要の先食い」に他なりません。需要の先食いをすればその後には「反動」と言われる需要が細る現象が起きます。
マンションの価格を決めるのは需給バランスが大きな要因を占めます。欲しい人がたくさんいれば高くなっていきますし、少なければ安くなっていきます。
消費税が上がる前に買う人が増えて、上がった後に買う人が減れば、むしろ消費税が上がった後、価格は下がるのです。
これが「反動」です。この「反動」を恐れて政府のほうも救済措置を検討しているのです。つまり、消費税が上がった後は価格がむしろ下がることを政府も業界も分かっているのです。
つまり、消費税が上がると、上がった直後は分譲マンションの価格は下がるのです。値上がりどころではないのが実態です。お得マンションを買おうと思ったら、むしろ消費税が上がった後の方が狙い目なのです。