日本人の英語熱は明治維新の頃から高まり続ける一方、英語学習を「つらい」と感じる人はいまだ多い。そういった無邪気な学習者たちに笑顔を取り戻してもらうべく、仕事ができない社員や、愛社精神の低い社員、窓際族などによる非エリート風の言い訳や失敗をまとめた書籍『ろくでもない英語の言い訳300』が刊行された。ネイティブもあきれかえる、職場では絶対に使えないその内容とは? 同書から特別に一部を公開する。

ろくでもない英語の言い訳300イラスト:村上テツヤ

「この商品は、10代~20代、もしくは30代~40代、又は50代以上の独身又は既婚男女がターゲットです」
“This product targets single or married men and women in their teens and 20s, 30s and 40s, or 50s and up.”

 マーケティングにおいて、ターゲット顧客のデータを収集し把握することは重要です。そうすることではじめて「今売れている商品は正しい顧客に届いているのか」がわかるわけです。ターゲットとは的のこと。的が大きければ大きいほど、当たる確率が高くなるのは、確かフェルマーの最終定理的な何かで証明済みです。最終的に銀河系に生息する生物すべてをターゲットにできれば、無敵といえます。

喜ばれない営業のフレーズ

「あのとき助けていただいた鶴です。恩返しにいい商品をご紹介しに伺いました」
“I’m the crane you helped on that day. I’ve come to return the favor by introducing you to a good product.”

 恩を仇で返すとはまさにこのこと。

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「おめでとうございます。御社が私の1000社目の飛び込み先です。記念にこの製品をサービス価格でお売りします」
“Congratulations. Your company is my 1000th walk-in sale. As a memento, I’ll offer this product at a discounted price.”

 営業トークにおける三大タブーに「野球・政治・宗教」の話題がありますが、営業職との雑談における三大タブーは「ノルマ・テレアポ・飛び込み」です。なかでも「飛び込み」は禁忌中の禁忌。危険回避のため、水泳の話題も避けましょう。

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「私はお客さま満足度最下位の、世界に一つだけの花です」
“I am the world’s only flower that ranks at the bottom in customer satisfaction surveys.”

 かつての競争社会と異なり、現代は多様性の時代。平均的な成績を収めるくらいなら、思い切って最下位を目指すのも一興です。

(本稿は、『ろくでもない英語の言い訳300』を抜粋、再構成したものです)