運動したい、でもできない……。そこで本連載は論文マニアとしても有名な大谷義夫先生(医師)が、82の論文世界の最新エビデンスをもとに正しく効果的な歩き方を書いた本『1日1万歩を続けなさい』から、今日から役立つ「歩き方のコツ」をお伝えします。ウォーキングは体にいい。それはたしかに事実です。でも実は「ただ歩くだけ」では効果が出にくいことをご存じでしょうか。同じ歩くなら「科学的な歩き方」で「最大効果」を手に入れる。ここを目指してみてください。

【医者が教える】なぜいつも電車の中で突然「トイレ」に行きたくなるのか?
Photo: Adobe Stock

原因不明の下痢・便秘ありませんか?

 自律神経の乱れによる「プチ不調」

 その中には、病気が隠れている可能性もあります。

 ですから不調を感じたら、定期健康診断だけでなく、病院に相談していただきたいと思います。

 ただ明らかに症状があっても原因がわからないこともあります。

 たとえば、

 ①下痢と便秘を繰り返す
 ②いつもおなかが張っている・痛む
 ③電車の中で突然トイレに行きたくなる

 こうした症状からは、大腸がん潰瘍性大腸炎などの病気も疑われるため、その検査として、大腸の内視鏡検査をおすすめします。

 でも検査すると何もない。そういう場合は過敏性腸症候群と診断されます。

過敏性腸症候群とは?

 これははっきりとした原因はわからないものの、精神的ストレスが関係すると言われています。

 腸はミミズのように伸び縮みする「蠕動運動」を行っており、これも自律神経の働きです。

 でも忙しくストレスが多い日が続くと、交感神経がずっとオンになり、自律神経のバランスが崩れます。

 するとこの蠕動運動が乱れて体に不調が現れ、先のような症状が出るのです。

歩けば「ストレス腸」が元気になる

 いうときはウォーキング。

 なぜなら歩くと心身ともにリフレッシュしてストレスが軽減。

 自律神経のバランスが整い、蠕動運動の乱れの回復が期待できるからです。

不調を感じたら「歩く」

 これはよく知られていることでもありますが、「不規則な生活でおなかが不調」という人は、試しに歩いてみてください。

 不調が改善する可能性があります。

便秘にもウォーキングが効く

 寝たきりのお年寄りの多くが便秘なのも歩かないため。

 歩かないと腸の蠕動運動は低下して便秘になります。

 歩けばよくなる不調は、世の中には案外たくさんあるのです。

※本稿は大谷義夫著『1日1万歩を続けなさい』より、一部を抜粋・編集したものです。本書にはウォーキングの効果にまつわるさまざまなエビデンスと、具体的かつ効果的な歩き方が紹介されています。