住宅ローンとキャッシング
比較してみれば、その差は歴然

 リボ払いやキャッシングの金利はすべて、他の金利よりも高めに設定されています。貸す側からすれば、お金が返ってこないリスクもあるわけだから、金利は高くなりがちなのです。すると、「金利=ダメ」とひとくくりに考えて、お金を借りないという選択をしてしまうかもしれませんが、そういうわけではありません。

 金利の数字をちゃんと見て許容できるラインを知っておくという考えを持っていただきたいのです。

 試しに、もっと低い金利で考えてみましょう。日本で金利が低いのは銀行の住宅ローンで、銀行や借りる人の状況によって違うけど、だいたい変動金利で今、1%を切るぐらいです(2023年10月現在)。

 仮に金利1%で先ほどと同じ50万円を5年借りたときには、月々の返済額が8546円、トータルの返済金額は約51万2760円です。

 そう、同じ「お金を借りる」でも、金利が違えば返済額は大違いなのです。

 補足として銀行のカードローンも説明しておきましょう。銀行のカードでクレジット機能がついている場合は、だいたいキャッシングサービスもセットになっています。預金残高がある場合は特に問題がありませんが、口座にお金がない場合は要注意。預金残高を超えて引き出そうとした場合には、キャッシングサービスに切り替わることがあります。

 一応「キャッシングにしますか」という案内は出ます。意味がわからずに、「はい」と押してしまうと、その瞬間から、15~20%の金利が適用になるので、気をつけましょう。

 銀行でも消費者金融でも、金利は金利。実態は変わりません。

消費者金融より高金利なケースも!?
銀行カードローンの隠されたリスク

 さらに、「リスク」という点でいえば、銀行のカードローンのほうが高くなってしまう可能性があることも、ここではお伝えしておきましょう。

 ある人がお金を借りようとした場合、消費者金融で借りるよりも銀行で借りたほうが、「返せない額になるほどたくさんのお金を借りてしまう可能性がある」ということです。

 その背景には「総量規制」があります。消費者金融でお金を借りる場合、借りられる金額には上限があります。収入の3分の1です。ざっくりいうと、収入が300万円の人は100万円までしか借りられないということ。

 どんなに手元に現金が必要で、金利を気にしないとしても、これ以上の貸し出しは法律で禁じられています。そもそも、消費者金融をはじめとする貸金業者は、借り手の返済能力を超えてお金を貸すことができません。その目安として、この「収入の3分の1」という線引きがされているのです。

 しかし、銀行のカードローンはこの総量規制の対象外。銀行は消費者金融ではありませんから、法律で規制されていないのです。