いい高配当株とは

新NISAで買うべき、高配当株の選び方を解説! 配当利回りだけで銘柄を選ぶの失敗のもとです。特に長期で持ち続けたいなら、過去の配当実績や、業績をしっかりチェックしましょう。選び方次第では、配当と値上がり益の両取りを狙うことも可能です。『一番売れてる月刊マネー誌ザイが作った 買うべき株&投信77 2024年度版』から、高配当株選びのポイントと、オススメの例を紹介します。

“持ちっぱなし”で運用したいなら
業績もしっかりチェック!

 高配当株への投資で、配当利回りだけに目を奪われてはいけません。大切なのは、配当が安定していていて、前年より配当が減る「減配」のリスクが小さいことです。まず今期の予想配当が減配ではない、つまり増配か横ばいであることが基本。さらに過去の配当実績をチェックして、できるだけ減配が少ない銘柄を選びましょう。

 また、配当だけでなく業績も必ず確認を。配当の元になるのは利益、さらにその元は売上だからです。増収(売上が増えること)と増益(利益が増えること)の回数が多く、ゆるやかにでも業績が伸びていると、なお良しです。これらは高配当株選びで共通する基本ポイント。特に長期で安心して持ち続けたい場合は、いっそう重要といえます。

 配当に対する会社の姿勢にも注目です。配当額の維持か増配を原則とする、つまり減配しないと宣言している「累進配当」の銘柄や、配当額を決める基準に「DOE」を採用している銘柄は、安心感が高くなります。

どちらも欲しいヨクバリな人向け!
配当&値上がり両取りの株の選び方

配当&値上がり両取り株の例※データは2023年11月10日時点
拡大画像表示

 配当が欲しい、でも値上がり益もとりたい! という欲張りな人もいるかもしれません。

 その場合のポイントは、業績の成長性。高配当株の中でも、売上や利益が長期的に大きく増えていて、ビジネス内容などからその傾向が今後も続きそうな銘柄に注目です。

 また株価が割安だと、上昇の余地が大きくなります。特にPBRが1倍を割っている企業は、東証の改善要請への対応で、今後の株価の上昇と、増配などの株主還元強化が期待できます。

 さらに収益性が高い、つまり“稼ぐ力”が強い企業は要チェック。売上高営業利益率(営業利益を売上高で割った数字)や「ROE」が高いと、より期待を持てます。

 例として紹介するアルプス技研は、売上、利益ともに順調に成長。この10年で配当額も株価も大幅に伸びています。ROEが高く、今後も有望です。

 ただし成長性が大きい株は、業績や配当の安定性ではやや劣ることも。銘柄によっては一時的な業績悪化や減配もあり得ます。新NSAでは、売却しても翌年にそのぶんの非課税枠が復活します。配当や業績の流れが変わったら、買替えも検討しましょう。

※本稿は、ダイヤモンド・ザイ編集部編『一番売れてる月刊マネー誌ザイが作った 新NISAで買うべき株&投信77 2024年度版』(ダイヤモンド社)から再構成したものです。