若者のリアクションが薄くなった理由を知る

 小学生の頃から一方通行のオンラインのコンテンツを使って勉強していたり、友だちとのコミュニケーションはほとんどメッセンジャーツールを使ったりしています。

 また、学生時代にちょうどコロナ禍とぶつかってしまい、自粛生活の中ですごさざるをえなかった事情も大きいです。

 リアクションが薄い若手社員への対応としては、「お疲れさま」「頑張ってるね」といった何気ない声かけからしてください。リアクションがあまり返ってこなくてもめげずに続けることで、しだいに若手も自分はチームの一員として存在を認められていると気づきます。

 その次のステップとして、若手に返事と報告を習慣づけるようにします。

 仕事の指示を出したときに、「はい、わかりました」と返事をするように指導します。

 ただし、上司や先輩が徹底させようとする意識が強すぎると、若手はよくわかっていなくても「はい、わかりました」と言ってしまう可能性があります。

 もし若手の反応があやしいと感じたときには、上司や先輩が「ちょっとわかりづらいかもしれないですかね?」と助け船を出して、若手がわからないときは「わかりません」とはっきり意思表示することも促します。

 そして若手に指示した仕事が終わったら、 きちんと完了の報告をすることも徹底させます。

 そのときに、仕事の内容が指示したとおりになっているかどうかだけでなく、若手にしっかり報告すること自体も意識させてください。「仕事内容が間違っていたらどうしよう」という不安な思いから、報告が遅れたり、「さっきの仕事はどうなった?」と声をかけられるまで待ったりする若手も多いからです。

 このように上司や先輩は、若手社員の背景や心情を十分に理解したうえで丁寧な対応を心がけましょう。

 指導の過程において、たとえ若手の反応が薄くても絶対に否定や批判をしてはいけません。上司の言葉はしっかりと届いていますから、優しさを持って声をかけ続けてください。