蔵元の大谷修子さんは、職場の改革をコツコツと進めてきた。その右腕となり、采配を振るのが異業種から転職した専務の大橋幹弘さんだ。蔵人は女性を含む30代以下に若返り、酒造技能士の資格を全員が取得。工程を全員で共有し、「責任仕込み」という名で、1人が1本のタンクを担当。酒質は徐々に上がり、23年、広島杜氏組合自醸酒品評会で大吟醸酒が1位に。その酒は全国新酒鑑評会でも入賞し、令和5年広島国税局清酒鑑評会吟醸酒部門でも優等賞と、トリプル受賞を果たした。地酒に注力し、鳥取県の酒米強力の純米吟醸を高品質化し、人気の辛口を特辛、超辛、極辛の3種類で発売。酒蔵見学も積極的に受け入れ、若き蔵人が生き生きと説明する。二十世紀梨の果樹から採取したラカンセア酵母で醸した純米酒も発表して注目も。町の自然風土を酒から発信。小さな蔵の挑戦は続く。

新日本酒紀行「鷹勇」鷹勇 純米吟醸 強力
●大谷酒造・鳥取県東伯郡琴浦町浦安368●代表銘柄:鷹勇 純米吟醸 なかだれ、鷹勇 特別純米酒、鷹勇 純米吟醸 超辛●杜氏:中元啓太●主要な米の品種:山田錦、強力、玉栄、五百万石
新日本酒紀行「鷹勇」坂本杜氏の標語 Photo by Yohko Yamamoto
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