隔月分配型投信の選び方

新NISAでの隔月分配型投資信託の選び方を解説! 新NISAで買える投資信託で、人気が高いのが隔月分配型。2ヵ月に1回、分配金が出るタイプで、年金を補う目的で買う人も多いでしょう。しかし、分配金利回りだけに目を奪われてはいけません。重要なのは分配の実力がわかる「本当の利回り」です。『一番売れてる月刊マネー誌ザイが作った 買うべき株&投信77 2024年度版』から、隔月分配型投信の選び方とオススメの例を紹介します。

分配金が高ければいいものではない!
「本当の利回り」で“健全”な投信を選べ

 毎月分配型の投資信託はシニア層を中心に人気ですが、新NISAでは対象外となっています。代わりになるのが、2ヵ月に1回、分配金が出る「隔月分配型」です。

 年金のない月に分配金をもらえば、家計の助けに。実際に隔月分配型はそれを主な狙いとしており、ほとんどは奇数月に分配金が出るタイプです。

 新NISAでは、分配金も非課税で受取ることができます。ただ、いくら分配金が高くても、それ以上に基準価額(投信の値段)が下がっていたら意味がありません

 新NISAで毎月分配型が除外されたのは、“長期的な資産形成に向かない”という理由ですが、元本を取崩して高い分配金を出す“不健全”な投信が多かったことも背景にあります。

 そこでチェックしたいのが「本当の利回り」。基準価額が下がった場合は、その下落分を差引いて算出する数字です。

新NISAで買うべき隔月分配型投信※基準価額と純資産額、信託報酬は2023年11月10日時点。他のデータとグラフは23年9月末時点 拡大画像表示

 本当の利回りがマイナスだと、分配金より基準価額の下落のほうが大きく損をしている状態プラスをキープしている投信なら、安心して分配金をもらえます。

 分配金目的の場合は、安定性も重要。隔月分配型の中には、新興国株や海外リートなどに特化して投資する投資信託もありますが、こうしたタイプは高利回りでもリスクが高く、成績や分配金が不安定です。バランス型や債券型の隔月分配型のほうが、足元の分配金利回りは目立って高くなくても、安定的に分配金を受取ることができるでしょう。

 例として紹介する「(年6%目標払出)のむラップ・ファンド(普通型)」は、2022年に株式市場が不調に見舞われたときでも、基準価額の下落を抑え「本当の利回り」はプラスを維持しています。

 重要なのは、ちゃんと利益を稼いでいて、それに見合った分配金を出す投信を選ぶ、ということです。

※本稿は、ダイヤモンド・ザイ編集部編『一番売れてる月刊マネー誌ザイが作った 新NISAで買うべき株&投信77 2024年度版』(ダイヤモンド社)から再構成したものです。