ビジネスパーソンの悩みの多くは人間関係に由来するものではないだろうか。現在、この問題をはじめ、仕事にまつわる多くの悩みを圧倒的な説得力をもって解決することで人気なのが、プロデューサー・佐久間宣行さん初のビジネス書『佐久間宣行のずるい仕事術』だ。2023ビジネス書グランプリを受賞したこの本は、SNSで「働くすべての人に読んでほしい」「人生の教科書にします」と絶賛コメントが多数寄せられている。ここでは本書から佐久間氏が提唱する仕事術の一部をお届けする。
「他人のキャラ」で戦ってはいけない
いかにもおじさんが会議室で「若者ってこういうのが好きなんでしょ?」と考えたような企画書に、ツッコミたくなることはないだろうか。
当事者でない人が想像でつくる企画は、ステレオタイプに陥りがちで、どこかズレる。
だから企画は「自分の属性」をフリ(起点)に考え、プレゼンもそこをしっかり強調すると、強い説得力を持つ。
マーケティングから考えない
流行っているから。
他社で成功しているから。
若手もそうした「マーケティングありき」で企画を考えると、ほかの人と被ることが少なくない。
すると絶対、実績のあるベテランの企画が通る。
なぜならそれが組織にとって安全な選択だからだ。
そんな負け戦が確定しているレッドオーシャンから抜け出すためにも、「自分だからこそ出せる企画」を考えよう。
自分のキャラで勝負する
年齢、性別、生まれ育ち。
あなたが若いなら、おじさんが想像もつかないような視点はどこか。
僕と同年代なら同年代ならではの、若手には思いつかない企画がある。
その切り口を考える。
自分ならではの「説得力」がある
「この属性の自分が、消費者として見ている社会」もまた、組織を説得する材料になる。企画書の1枚目に欠かせない要素だろう。
たとえば入社3年目なら、まず、「20代半ば」という属性がフリになる。
プレゼンも、「僕らの世代はこういう空気感で、こういう情報に触れている。社会の時流はこうで、僕らはこういうものを求めている。だから(おじさんにはつくれない)この企画を提案します」と言えば、説得力のある企画になる。
あなたはどう見られているか?
もうひとつ。
自分が「社内でどういうキャラとして見られているか」も大事な「フリ」だ。
大喜利は、その回答だけじゃなく「だれが言うか」も笑いに影響する。
企画も同じで、これは「だれがなにを言うか大喜利」でもあるわけだ。
企画単体で勝負できるのは、天才的におもしろいものだけ。
だから、組織内での自分のキャラを冷静に客観視して、大喜利として成立するか考えよう。
「逆バリ」も狙う
堅物キャラならぶっ飛んだ企画を、軽薄キャラならシリアスな企画を。
そんなプレゼンテーションの仕方もある。
僕はADのころ、自分が「まじめ」だと思われていることを知っていたから、あえて尖った企画ばかり出していた。
「あの佐久間が!?」というギャップを狙った作戦だ。
組織で企画を通すためには、自分をどう演出するかの視点も欠かせないのだ。
(『佐久間宣行のずるい仕事術』より)
※本書には、この他にも、たくさんの仕事術が収録されています