一番売れてる月刊マネー誌ザイが作った新NISA入門

投資の税金が非課税になる制度は、NISAのほかにiDeCo(個人型確定拠出年金)があります。ただ、両者は資産形成の目的が異なります。2つの制度の特徴を理解して、賢く使い分けることが大事。ザイの新NISA本の決定版『一番売れてる月刊マネー誌ザイが作った新NISA入門』第4章の「新NISAのもやもや解消Q&A」から、新NISAとiDeCoの使い分けについて、ファイナンシャルリサーチ代表の深野康彦さんに聞きました。抜粋した記事を紹介します。

iDeCoは老後の資金作り用の口座で
60歳まで引き出し不可!

 Q.新NISAとiDeCoはどう違う?どちらを優先すべき?

 A.会社員・主婦(夫)は新NISAを優先! 自営業は第3の選択肢の検討も

 まずは、NISAとiDeCoの2つの口座の違いを説明しましょう。ざっくり言うと、NISAは中長期の資産形成を、iDeCoは老後の資金づくりをサポートする制度です。

 iDeCoは拠出時、運用時、受取時に税制優遇が受けられ、節税効果が大きいのが魅力。表はiDeCoに拠出した際の所得税と住民税の節税額の目安です。

 ただ、NISAはいつでも現金化できますが、iDeCoは60歳になるまで引出せません

 では、限られた資金を振分ける際に、どちらを優先すべきなのか。

 まずは会社員の場合。FPの深野康彦さんは、まだ資産が十分にないなら換金性が高い新NISAを先に始めることを勧めます。「iDeCoの最大のリスクは、60歳になるまで引出せないこと。手元資金が枯渇したら本末転倒です」

 次は自営業。会社員より年金額が少ないため、深野さんは一生涯もらえる終身年金を厚くすることを勧めます。iDeCoは受給期間が決まった有期年金(年金受取の場合は5年以上20年以下で受取る)が主流なので、第3の選択肢として終身年金が基本の国民年金基金を推します。

「年金額が事前に分かり、老後の資金計画が見える化できます。iDeCoと同じ税制優遇も受けられ、老後資金の土台作りに便利です」

 新NISAの検討はそのあとでいいでしょう。

※本稿は、ダイヤモンド・ザイ編集部編『一番売れてる月刊マネー誌ザイが作った新NISA入門』(ダイヤモンド社)から再構成したものです。