仕事がデキる人は「頼み上手」
もうひとつ、職場における「同僚や周囲の人とのコミュニケーション」で頻繁に遭遇する「仕事を依頼する」というシチュエーションについて、解説します。
周囲からの信頼や協力を得ながら協働し、共通の目的や達成すべき目標を掲げてともに成し遂げていく――これが会社組織の在り方の基本です。そうした組織のなかで仕事を進めていくうえで、同僚など周囲の人に「作業や業務を頼みたい」「手を貸してほしい」という状況に遭遇することは少なくありません。
ところがそうした状況に置かれたときに、「頼みたいけど、忙しそうで嫌がられるかも」とか「断られたらどうしよう」などと考えて、つい遠慮してしまった――そんな経験がある方も多いのではないでしょうか。
人に何かをお願いする、とくに「仕事を依頼する」ことは心理的なハードルが高い行為かもしれません。しかし、同僚とのスムーズな協働は、組織やチームで仕事をするうえで非常に重要なことでもあります。
また、それができることは「その組織に欠かせない、いてほしい人」という信頼にもつながっていきます。
どんなに有能な人でも、人間が1人でこなせる仕事の量には限りがあります。
ならば、自分ではカバーできない範囲の仕事は、思い切って周囲の人たちに協力を依頼するべきなのです。誰かの力を借りることで仕事をスムーズに終わらせることができれば、それは結果として、組織やチーム全体の仕事効率や実績の向上につながります。
仕事がデキる人は、総じて「頼み上手」な人です。
自分だけで解決できること、自分だけではできないことを把握し、できないことは素直に誰かに頼むことができる。相手に不快な思いをさせず、気持ちよく協力してもらえる上手な仕事の頼み方は、すべてのビジネスパーソン必須のスキルと言えるでしょう。
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