報・連・相に重要なのは、「わかりやすさ」と「正確さ」

ポイント(1) テーマを明確にする

 上司に業務に関する報告をするときは、まず「何についての報告なのか」というテーマを明確に述べましょう。

 上司や上長という立場の人は、常に複数の案件を抱えているもの。ただ、「先日の件ですが……」などと話しかけても、「先日の件ってどの件?」となってしまいます。
 
 「課長、すみません。先日打ち合わせた○○の件の進捗状況を報告したいのですが」

 と最初に「報告のテーマを明確に伝えるようにしましょう。

ポイント(2) 先に結論・要点、次に詳細を伝える

 冒頭でもお伝えした通り、情報伝達の基本は「いちばん最初に、いちばんの核心を伝える」ことにあります。とくに報・連・相の場合は。

 まず「結論・要点」→次に「詳細情報」

 報告と相談では、「結論」が先。連絡では「要点」が先。この順序で伝えることで、聴き手は伝達内容を理解しやすくなります。

 結論は「話のなかでもっとも伝えたい最終的な着地点」なので、基本的には「ひとつ」に絞られます。

 一方、話中の詳細な話をまとめる「要点」はひとつとは限りません。むしろ要点は複数あることのほうが多いのですが、多すぎるとかえって話が混乱する恐れがあります。

 そのため、複数の要点を伝えるときには、情報を分類・分類して話すようにしましょう。話の冒頭に、「お伝えしたいことは○点」や、「1点目は」「2点目は」などを伝えることで、聴き手は話の全体像をつかみやすくなります。

ポイント(3) 5W2Hで具体的に伝える

(2)における要点の詳細情報を伝える際には、できるだけ簡潔に、的確に、そして具体的に話すように心がけましょう。

 そのためには、「5W1H:いつ(When)、どこ(Where)、誰(Who)、何(What)、なぜ(Why)、どのように(How)」に数的要素を表すもうひとつの「H(How muck/How many)を加えた「5W2H」を用いて情報内容を整理することをおすすめします。例えば、

「○○プロジェクトの企画書の件ですが、今週は(When)進捗50%(How much)で終えることになります。理由は主要メンバーのAさん(Who)が出張でミーティングが開催できないためです(Why)

 のように「5W2H」を活用し、さらに、「要点(結論)→詳細」の順序で報告を受けた上司は現状を把握しやすくなります。

ポイント(4) 客観的な事実を伝える

 ビジネスにおける報・連・相では、「事実情報」を伝えることも意識すべき大切な要素になります。ここで言う事実情報とは、具体的には、

 ・自分の考え(主観)や感情、推測を入れない情報 
 ・数字やデータで提示できる情報
 ・自分で勝手に省略や歪曲をしていない情報「客観的な事実」

 を指します。

 仕事の現状や進捗情報を報告するときは、主観が入った情報と客観的な事実情報とを切り分けて考える必要があります。

 ところが、報告や連絡の内容に「~のはずです」「私は問題ないと思うのですが~」といった個人の感情が入ってしまうと、そのフィルターが邪魔をして上司は正確な状況を読み取ることができなくなります。

 ビジネスの現場にいれば、上司に「報・連・相」を行う機会は毎日、必ずと言っていいほど訪れます。その際に常にこの4つの要素を意識する習慣をつければ、上司とのコミュニケーションは着実に変わっていくはずです。