パチンコ、麻雀、女、酒、タバコを欠かさず、ほぼニート状態の父親。それに母親が共依存するという複雑な家庭環境に育った。14歳のとき、父親が自己破産して失踪。貧しい生活を支えた母親は病に倒れ、半身不随に。苦境のなか、独学で大学に合格、奨学金を得た。そして、兄・成田悠輔がくれた本をきっかけに「起業」を志した。話題の書『14歳のときに教えてほしかった 起業家という冒険』(ダイヤモンド社)の著者・成田修造は、体当たりで起業家の道を歩むようになる。本書は起業を通じた人生の指南書で、何歳からでも組織に頼らず、副業・独立・起業でビジネスを展開するときに必須の内容。これからは会社員であっても、自分で事業をつくれると強い。その思考法とノウハウを全公開する。
※本稿は、『14歳のときに教えてほしかった 起業家という冒険(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。
「副業」という起業家精神
自分の働き方を変えようと思ったとき、最も手軽にチャレンジできるのが「副業」です。
昨今の人手不足を受けて、日本企業は社員の副業を促す方向に進んでいます。
2018年に厚生労働省が副業・兼業の推進に関するガイドラインを定めたのを機に、大企業を中心に多くの企業が社員の副業を解禁しました。
従業員の4割が副業する会社
2022年にクラウドワークスが行ったアンケート調査によると、59.6%が、副業の経験もしくは副業の意向があるとわかりました。
この流れに先駆けてクラウドワークスでは、社員が多様な働き方を実践し、スキルや経験の幅を広げるために、2016年7月に副業禁止の規定を撤廃し、自由化しています。
副業解禁後、クラウドワークスでは副業にチャレンジする社員が増え続け、2021年時点で従業員全体の約4割まで増加しました。
収入増以外の副業のメリット
社内アンケートによると、副業のメリットとしては、収入が増えることはもちろん、「スキルアップ」「経験を得られること」「楽しい」といった点も上位に挙がっています。
また、同じアンケートで副業を続けられる理由も尋ねていますが、「本業での柔軟な働き方」が最も多く挙げられました。
これはクラウドワークスが2019年に「フルフレックス・フルリモート勤務制度」を導入し、勤務時間や勤務場所を自由化したことが大きく影響しています。
加速する副業解禁の流れ
副業に興味がある人は、副業が認められ、働き方がある程度自由な組織に就職することも、人生戦略として重要になります。
クラウドワークスだけでなく、ソフトバンクやヤフー、サイバーエージェントといったIT企業を中心に副業は解禁されるようになってきていますが、その流れはトラディショナルな大企業にも波及しています。
たとえば、みずほフィナンシャルグループでは、2019年10月に副業を解禁し、新入社員や競合他社での副業などの例外を除いて、広く副業を認めています。
そのため、みずほ銀行の行員が、税理士や社会保険労務士などの士業資格を活かして副業でコンサルティングを行うようなケースも増えているといいます。
社員としても活きる
起業家精神
少し前までは、日本の大企業で副業が認められることは想像しにくかったですが、時代は変わりました。
その背景には、社内では得られないスキルや経験を持つ人材を求めていることに加え、働く場としての魅力を高める目的があると思います。
自ら主体的に学び、動き、価値を生む。そんな起業家精神を持つ人材を集めるために、多くの企業が多様な働き方を認めているのです。
※本稿は、『14歳のときに教えてほしかった 起業家という冒険』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。