「仕事で疲れやすい」「ごはんが美味しくない」。そんな人が“心の余裕”を作る方法を教えましょう。
そう語るのは、これまでネット上で若者を中心に1万人以上の悩みを解決してきた精神科医・いっちー氏だ。「モヤモヤがなくなった」「イライラの対処法がわかった」など、感情のコントロール方法をまとめた『頭んなか「メンヘラなとき」があります。』では、どうすればめんどくさい自分を変えられるかを詳しく説明している。この記事では、本書より一部を抜粋・編集し、考え方次第でラクになれる方法を解説する。(構成/種岡 健)
「仕事への耐性」はある?
「仕事で心が折れるハードルが日に日に低くなっている…」
そんな悩みがないでしょうか?
昔は、平気で耐えられたことでも、今ではその自信がないということも、よく聞きます。
人間は困難を乗り越えることで精神的に成長するものですが、「乗り越えられない困難にただ我慢している」という状態だと、そのストレスが脳にダメージを与えてしまいます。
私たちの脳は、つらい環境から逃げ出したり離れるように作られています。
そのため、「ささいさなこと」でも過敏に反応してしまうようになってしまうのです。
これは、私たちが危険から身を守るための本能的な反応です。
無意識のうちに生じている生理的な現象です。
そんな生理的な反応を無視して、つらい状況にさらに我慢し続けてしまうと、気分が沈んでしまって、やがて「病気」にまでなってしまいます。
だから、「自分の感じている痛み」や「逃げたいという気持ち」に向き合うために、心の余裕が必要です。
「ごはん」は美味しいですか?
「なぜか最近、ごはんがおいしく感じられない」
そんな悩みがないでしょうか。
あなたが「美味しい」と感じられない理由はいくつも考えられます。
「味がわからない」「匂いを感じない」「食欲がない」「孤独感を感じている」などのサインが考えられます。
まずはゆっくりと食事をとる時間を捻出してください。
気の合う人と、リラックスして、食事をするということです。
それを最優先させるのです。
ただし、心理的な要因が思い当たらず、明らかな問題が思い浮かばない場合には、内科的な疾患による影響も疑われます。
脳梗塞や電解質の異常、慢性の副鼻腔炎など、さまざまな疾患で味覚が減少してしまうこともありますので、一度精査を受けてみるとよいかもしれません。
(本稿は、『頭んなか「メンヘラなとき」があります。』の著者・精神科医いっちー氏が特別に書き下ろしたものです。)
精神科医いっちー
本名:一林大基(いちばやし・たいき)
世界初のバーチャル精神科医として活動する精神科医
1987年生まれ。昭和大学附属烏山病院精神科救急病棟にて勤務、論文を多数執筆する。SNSで情報発信をおこないながら「質問箱」にて1万件を超える質問に答え、総フォロワー数は6万人を超える。「少し病んでいるけれど誰にも相談できない」という悩みをメインに、特にSNSをよく利用する多感な時期の10~20代の若者への情報発信と支援をおこなうことで、多くの反響を得ている。「AERA」への取材に協力やNHKの番組出演などもある。