「筋トレ」はメンタルに効くのでしょうか?
そう語るのは、これまでネット上で若者を中心に1万人以上の悩みを解決してきた精神科医・いっちー氏だ。「モヤモヤがなくなった」「イライラの対処法がわかった」など、感情のコントロール方法をまとめた『頭んなか「メンヘラなとき」があります。』では、どうすればめんどくさい自分を変えられるかを詳しく説明している。この記事では、本書より一部を抜粋・編集し、考え方次第でラクになれる方法を解説する。(構成/種岡 健)
筋トレは効果的?
筋トレはほんとうにメンタルに効くんでしょうか?
個人差はありますが、継続できるなら有効な場合があります。
運動は定期的に行うことにより、ストレスを低下させる効果があると確かめられています。
ほんのわずかな時間の運動でも、やらないよりは抑うつの改善や不眠の治療に有効であるとわかっています。
また、少しでも気持ちが前向きになれば適切な食事や睡眠など、健康的な生活習慣が身につきやすくなるといった一層のポジティブな効果が生まれると考えられます。
ですが、筋トレも過度に執着しすぎるとメンタルヘルスを悪化させる要因にもなります。
生活が縛られたり、苦痛を感じて体を壊したり、時間が縛られてしまうなどのネガティブな面が強くなり、筋トレを続けることが逆効果になってしまうこともあります。
なので、あなたが苦痛を感じずに気持ちいいと感じる範囲でゆっくりとやっていくことが大切です。
新生活に効く習慣
新しい仕事を始める人も多いことでしょう。
人間はいきなり「初めてのことをしろ」と言われると、恐怖心や不安を感じる生き物です。
人間がまだ動物だったころから、行ったことのない場所に行ったり、暗い洞窟や視界の不十分な場所では危険を感じるようになっていました。
これから起こりそうな危険を早めに察知することで、猛獣などの危険から身を守るような本能が備わってきたのです。
そのような本能に類する機能によって、私たちは新しいことを始めるときに不安を感じるように作られています。
そんな不安を軽減するためには、身体を動かして筋肉や表情をゆるめるようにすることで、不安につながる緊張も減らすことができるでしょう。
そのためにも、ぜひ軽い筋トレを取り入れましょう。
まずは自分で始められるもっともハードルの低いと思うことからやってみて、ゆっくりとハードルを上げるようにするといいでしょう。
(本稿は、『頭んなか「メンヘラなとき」があります。』の著者・精神科医いっちー氏が特別に書き下ろしたものです。)
精神科医いっちー
本名:一林大基(いちばやし・たいき)
世界初のバーチャル精神科医として活動する精神科医
1987年生まれ。昭和大学附属烏山病院精神科救急病棟にて勤務、論文を多数執筆する。SNSで情報発信をおこないながら「質問箱」にて1万件を超える質問に答え、総フォロワー数は6万人を超える。「少し病んでいるけれど誰にも相談できない」という悩みをメインに、特にSNSをよく利用する多感な時期の10~20代の若者への情報発信と支援をおこなうことで、多くの反響を得ている。「AERA」への取材に協力やNHKの番組出演などもある。