『そのような人の場合、ほめて育てられること、つまり絶えずポジティブな気分にさせてもらうことによって、ネガティブな気分をうまくコントロールすることができなくなっているんでしょう。そこに気づいてもらい、非認知能力のひとつである感情コントロール力を高める必要があると思います』

「感情コントロール力を高める?」

『注意されると嫌な気持ちになる。それでつい反発してしまう。でも、そんなふうに感情に流されていては成長できませんよね』

「そこなんですよ」

『だから感情をうまくコントロールする必要がある。それができれば、注意されたことを糧にして成長していける。感情をコントロールできるようになれば、停滞路線から成長路線に移行できるでしょう』

ネガティブな感情をどうコントロールすればいい?

 そこで、叱られたり注意されたりしたときのネガティブな感情のコントロールの仕方について解説した。

 注意されれば気分が落ちるし、自分がうまくできていなかったり、間違ったやり方をしていたりする現実を直視するのは気分の良いものではない。しかし、感情に流され、そこから目を背けていては改善も成長も望めない。それに気づいてもらう必要がある。

 つぎに、注意されることは自己改善のきっかけになることを教えることがとても大事である。

 注意する上司や先輩は、意地悪で言っているわけではなく、改善すべき点があるから注意するのである。いつまでもできない人物でいればいい、だから改善しなくていいと思っていたら、気まずい感じになるのも厭わずにわざわざ注意などしないだろう。

 注意された点を改善することで、仕事力が高まり、できない自分から脱し、できる自分へと変身することができる。注意は成長の契機となる。そうであれば、注意してもらえるのはありがたいことなのである。こうしたことに気づかせるような対話をしていくことが大切である。