【こんなの無理】就活のESの質問が恐ろしく難しくなった!驚き事例と思わぬ余波就活生のESの質問が恐ろしく難しくなっている。それは大学教育の在り方にまで波紋を投げかけている(写真はイメージです) Photo:PIXTA

あなたは答えられる?
社会人でも困ってしまう質問の数々

 これは、去年の新卒大学生が就職活動をした際の、ES(エントリーシート)の質問の一部です。あなたは答えられるでしょうか。

【第一問】

「ここに公開したのは、わが社のESGデータです(環境=E、社会=S ガバナンス=Gの指標を追跡するためのデータ )。これを見て、わが社の課題を自由に設定し、なぜ課題と考えるか、課題を解決する方法を自由に考えてください」

【第二問】

「下記のテーマの企画をA3用紙1枚にまとめ、PDF形式で提出してください」

<テーマ>
X年後の社会に求められる新たな「場」 を企画してください。

<条件>
(1) タイトルをつけてください。
(2) X年後は何年後か設定してください。
(3) 「場」 は空間や施設だけでなく、 イベント(コト)やアプリケーション (バーチャル)など、 その在り方は自由に設定してください。テキスト以外にもダイアグラムや写真、イラストなど使用してもかまいません。

 どちらも優良企業の出題ですが、超大企業でも人気ランキングに入っているような企業でもありません。いわば中程度の人気企業の一次ESの質問が、私も含め、社会での経験が豊富な人間でも回答に困るくらいのレベルなのです。

 私は、文藝春秋を退職した後、4年間地方の大学で教授をしていました。そこでは大都市圏での就活に詳しい人材が乏しく、私は教鞭を執る以上に、就活生の進路相談、ES相談・添削、そして面接の練習を、年間百人も繰り返していました。退職しても教え子に就活指導を頼まれて断るわけにはいかず、今でも、ZOOMを使って遠隔で指導しています。そして、この4年ほどで就活が劇的に変わったことを痛感します。

 最初はコロナ禍の影響で、対面での面接が不可能になったことが変化の原因でした。実際、対面での面接ができなくなって、ウェブ面接に切り換えると弊害が判明しました。とにかく、この4年で学生に教えることをどんどん新しくせざるを得なくなったのです。その理由は後述しますが、とりあえず、恐ろしく対応が難しい質問の数々をもっとご紹介しましょう。