老後「死んだ魚のような目になる人」「生き生きしている人」の違い
42歳でパーキンソン病に侵された精神科医のエッセイが、韓国で売れに売れている。『もし私が人生をやり直せたら』という本だ。「自分をもっと褒めてあげようと思った」「人生に疲れ、温かいアドバイスが欲しいときに読みたい」「限られた時間を、もっと大切にしたい」と共感・絶賛の声が相次ぎ、35万部以上売れているという。
そんなベストセラーエッセイの邦訳が、ついに刊行される。男女問わず、多くの人から共感・絶賛を集める本書の内容とは、いったいどのようなものなのか? 本書の日本語版から抜粋する形で、「人生の限りある時間」の過ごし方について書かれた項目を紹介していく。

老後「死んだ魚のような目になる人」「生き生きしている人」の決定的な違いPhoto: Adobe Stock

老後「死んだ魚のような目になる人」「生き生きしている人」の決定的な違いとは?

 何かひとつに没頭できれば、他のことにも没頭することができます。

 熱愛中の人には世の中がキラキラと輝いて見えるように、何かひとつにハマると世界と恋をすることができるのです。

 自分の中で花開いた情熱は、自分と他者と世界、このすべてをポジティブに見せてくれるからに他なりません。

 教育心理学者のミハイ・チクセントミハイ教授は、「人生において大事なことは、自分だけの生き方を見つけ出すこと」とし、何かに熱中し、没頭する時間こそがそれを可能にすると語っています。

 大学時代、私は演劇に打ち込んだのですが、その経験は間違いなくその後の私を支える力になってくれています。お芝居であっても別の人間の人生を生きた経験は、患者の心に共感する感性を育て、サイコドラマ(患者の抱える心の問題について、即興劇を用いて理解を深めていく集団精神療法)を行う上で大いに役に立っていると実感しています。

 続いて、「没頭が生み出すポジティブな効果」、そして「どうすれば没頭できるのか」を解説していきます。