東京オリパラのケースに見出す
大阪・関西万博の一縷の望み

 1970年の大阪万博は来場者数6422万人という大成功を収めて、その盛り上がりが今なお語り継がれている。当時日本は高度経済成長期のほぼピークの時期にあって、国全体に上がり調子のエネルギーが渦巻いていた。

 かたや2005年の愛・地球博は動員人数が目標を大きく上回って最終的に2205万人となり、129億円の黒字となったそうで、成功といっていいであろう。

 そして2025年の大阪・関西万博では、想定来場者数が約2820万人とされている。この数字の達成も不安視される向きが強いが、はたしてどうなるか。

 時代の背景を比べると、1970年は好景気真っ只中、2005年は緩やかな景気回復の中にあった。そして今年はというと、目下極端な円安進行と物価高で、景気に対する不安の空気がまん延している。万博のようなアッパーなイベントを楽しんでやろう、という雰囲気にはなかなかなりにくい。

 しかし、万博不支持の報道一色の現状を見渡しても、開催本番を迎えてみれば、ひょっとしたら前評判ほど惨憺たる結果にはならない可能性もある。思い出されるのは2021年の東京オリパラである。コロナ禍の中での開催という難しい状況にもあったが、それに加えて実に様々なすったもんだが出てきて、開催前はものすごい勢いで批判されていたが、いざ始まってみると応援ムードとなった。

 Yahooのアンケートを掘り返してみると、2021年5月には東京オリパラを「中止するべき」と79%(約57万票)が回答し、6月には観客上限1万人の開催決定を「妥当だとは思わない」と91%(約23万票)が回答した。