「ミャクミャク」にもバッシング
世論を形成するマスコミの立ち回り

 ただ、こうなっているのはマスコミの立ち回りによるところも関係している。もはやこのような雰囲気なので万博を叩くトーンで報道をした方が、注目も支持も集めやすく、その方向の記事がどんどん出されて、どんな些細な(たとえば「ナンバープレートがさながら血しぶき」といった)記事でもウケて、世論がそちらの方にどんどん固められていっているのである。

 わかりやすいのがマスコットキャラクター・ミャクミャクの評価で、万博への支持の度合いを測る、ある種リトマス試験紙のように使うことができる。

 ネット記事やSNSを見ると「ミャクミャクが不気味」「ミャクミャクが無理」という意見が目立って目に入ってくるが、大阪・関西万博がもっと支持されたイベントであったなら、ミャクミャクも「個性的で憎めない」といった切り口で、今よりは支持を集めていたのではあるまいか。

 興味深いのは産経リサーチ&データが昨年5月に行った、ミャクミャクについて「良いと思う」と「あまり好きではない」の二択のアンケート結果で、これによると「良いと思う」が20代で65.9%、30代で60.9%、40代で50.7%、50代で46.6%、60代34.5%となったことだ。昨年の、今ほど万博が批判を集めていない時分の結果を見ると、ミャクミャク単体ではそこそこ支持されうる素養を持っていたのである。

 そのミャクミャクが現在主に不気味扱いされている現況は、大阪・関西万博への人々の印象が如実に反映されているからに他ならない。

【参考】
ミャクミャクは50代以上に人気ない? 産経R&D調査
https://www.sankei.com/article/20230606-7YBQTMT6ONL7RNIONCDJENVAMA/