テレビ・ネットで「日本のウォーレン・バフェット」と話題! 1936年(昭和11年)、兵庫県の貧しい農家に4人兄弟の末っ子として生まれた。高校を出してもらってから、ペットショップに就職。そこでお客だった証券会社の役員と株の話をするようになった。そして19歳のとき、4つの銘柄を買ったことが株式投資の始まりだった。あれから68年、バブル崩壊では10億円あった資産が2億円にまで減った。しかし今、資産は18億円まで増え、月6億円を売買しながら、デイトレーダーとして日々相場に挑んでいる。隠しごとなしに日常生活から投資法まで全部書いた話題の書『87歳、現役トレーダー シゲルさんの教え 資産18億円を築いた「投資術」』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものをお送りする。
売り買いのタイミングを
どう見極めるのか?
私がよく聞かれる質問の1つに、「どうやって売るタイミングと買うタイミングを見極めているのですか?」というものがあります。
正直に言って、この問いは私にとって難しいものです。なぜなら、私には70年近い投資経験があります。
なので、チャートや板を見て直感的に「これは買い」「ここは売り」と判断できてしまうことも多いからです。その直感を言語化することは、非常に難しいといっていいでしょう。
「テクニカル分析」を重視する
ただもちろん、全部が全部経験によるものではありません。そこで、私が実際に日々活用していて、誰でも使える手法として紹介できるのが「テクニカル分析」です。
投資家ならばよく知っていることですが、相場を分析する方法は、「ファンダメンタルズ分析」と「テクニカル分析」の大きく2つに分けることができます。
▶ 経済ニュースや各国の経済指標をもとに現在の相場を分析し、将来の相場を予想する手法
◎テクニカル分析
▶ 過去の値動きから今後の株価を予想する手法
両方やるに越したことはないですし、とくにファンダメンタルズに関しては、株をやっていればニュースに関心を持つようになるので、ある程度はわかるようになりま
すが、デイトレーダーである私の場合はテクニカル分析を重視しています。
テクニカル分析で
“失敗を減らす”
経済全体の流れを意識することはたしかに重要ですが、日本に生きていて英語もわからない状態で、FRB(米連邦準備制度理事会)の考えを先読みしようとするのは無理がありますからね。
一方、過去の値動きから今後を予測するのは、すべての材料がもう出ているわけですから、与えられた条件は公平であり、かつ誰でもできる手法です。
ここで利用するのがチャートですが、どれだけテクニカル分析に精通していても、全部が全部読みが当たるわけではありません。それでも、チャートという目に見えるものを活用することで、「なんとなく上がりそうだから」と購入して、失敗することは減るはずです。
テクニカル分析の
いろいろ
ひと口に「テクニカル分析」といっても、さまざまな分析手法があります。
◎ローソク足分析
◎新値3本足
◎価格帯別出来高
◎トレンド分析 ▶ 市場の全体的な方向性を見極める
例:移動平均線、一目均衡表、エンベロープ、ボリンジャーバンド、パラボリック、DMI(方向性指数)、MACD(移動平均収束拡散法)
◎オシレーター分析 ▶ トレンドの強さや過熱感といった変化の大きさや兆しを察知する
例:移動平均乖離率、サイコロジカルライン、ストキャスティクス、RCI(順位相関指数)、RSI(相対力指数)
◎フォーメーション分析 ▶ 特徴的なチャートのパターンから今後の株価の動向を予想する
例:三角保ち合い、ソーサートップ&ソーサーボトム、ダブルボトム&ダブルトップ、ヘッドアンドショルダーズ
ローソク足とRSI(相対力指数)
に着目
見るべき指標は、その時々によって違います。ある指標では「買い」となっていても、別の指標を見るとそうなっていないことも決して珍しくありません。
なので1つだけに絞らず、複数の指標を見ることが重要ですが、いま紹介した指標すべてを確認するのは現実的ではありませんよね。いくら時間があっても足りなくなります。
このなかで私が最も活用しているのは、ローソク足とRSI(相対力指数)です。RSIは0~100%まで幅があり、一般的に30%を下回ると売られすぎ、70%を上回ると買われすぎと判断されることが多いです。
1つずつやりながら
慣れていく
次いで価格帯別出来高、相場の方向性を判断する際に使うMACD(移動平均収束拡散法)。
そして、過去の一定期間の投資家の売買コストを考慮して、相場の節目を算出する一目均衡表と相場の方向性を測る新値3本足の順番です。
なかなか実際に取引しないとわかりづらいところもあるかとは思いますが、まずは基本的なことから1つずつやりながら慣れていくことが肝心です。
※本稿は、『87歳、現役トレーダー シゲルさんの教え 資産18億円を築いた「投資術」』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。