「8時間以上も寝てしまう。寝すぎですか?」
そう語るのは、これまでネット上で若者を中心に1万人以上の悩みを解決してきた精神科医・いっちー氏だ。「モヤモヤがなくなった」「イライラの対処法がわかった」など、感情のコントロール方法をまとめた『頭んなか「メンヘラなとき」があります。』では、どうすればめんどくさい自分を変えられるかを詳しく説明している。この記事では、本書より一部を抜粋・編集し、考え方次第でラクになれる方法を解説する。(構成/種岡 健)
「寝すぎ」はよくない?
あなたは、1日何時間くらい睡眠をとっているでしょうか。
日本人は、睡眠が足りていないとよく言われます。
ただ、リモートワークも盛んになり、今度は逆に「寝すぎてしまう」「朝が起きられなくなった」という人も増えているかもしれません。
無理に睡眠を減らすと、日中に眠くなることもあるでしょう。
そのための考え方について述べようと思います。
無理に減らさなくてもいい
一般的に、睡眠時間はおおむね「7時間」前後がいいとされます。
ただ、それには個人差はあるがあります。
人によっては6時間ほどでいい場合もあれば、8時間は寝ないと寝た気がしない人もいます。ショートスリーパーという言葉もありますよね。
この背景には、あなたの生まれてからの環境や、睡眠への考え方などの差もあります。
よって、ストレスを感じてまで無理に睡眠時間を減らす必要はありません。
とはいえ、眠りすぎて苦痛を感じていたり、眠っているのにずっと眠いといった状況が続いていることもあるでしょう。
それなら、「睡眠の質」を疑ってください。質の悪い睡眠をとっている可能性があります。
部屋の温度や湿度、明るすぎるなどの環境の問題がないか調べてみましょう。
あるいは、夜中に何度も起きていて寝ているのに寝ていない、などの問題がないか確認してみてください。
それらの問題がないにもかかわらず、「ずっと眠い」という状況が続く場合には、「睡眠障害」なども考えられます。
あまり続く場合には病院にかかって検査を受けることをおすすめします。
(本稿は、『頭んなか「メンヘラなとき」があります。』の著者・精神科医いっちー氏が特別に書き下ろしたものです。)
精神科医いっちー
本名:一林大基(いちばやし・たいき)
世界初のバーチャル精神科医として活動する精神科医
1987年生まれ。昭和大学附属烏山病院精神科救急病棟にて勤務、論文を多数執筆する。SNSで情報発信をおこないながら「質問箱」にて1万件を超える質問に答え、総フォロワー数は6万人を超える。「少し病んでいるけれど誰にも相談できない」という悩みをメインに、特にSNSをよく利用する多感な時期の10~20代の若者への情報発信と支援をおこなうことで、多くの反響を得ている。「AERA」への取材に協力やNHKの番組出演などもある。