「つい泣いてしまう自分を変えたい」精神科医が教えるとっておきのアドバイスとは?
それを語るのは、これまでネット上で若者を中心に1万人以上の悩みを解決してきた精神科医・いっちー氏だ。「モヤモヤがなくなった」「イライラの対処法がわかった」など、感情のコントロール方法をまとめた『頭んなか「メンヘラなとき」があります。』では、どうすればめんどくさい自分を変えられるかを詳しく説明している。この記事では、本書より一部を抜粋・編集し、考え方次第でラクになれる方法を解説する。(構成/種岡 健)
「泣くこと」の正体
すぐに泣いてしまうことが悩みという人がいます。
少し責められただけですぐに泣いてしまう。自分でもなぜ泣いてしまうのかわからないと言います。
人間は、感情が大きく動いたときに涙を流してしまいます。
とても悲しいと感じてしまうことがあったり、逆にとても嬉しいと感じたときなど、感情の波が著しく変化すると人間は勝手に涙が出てしまうのです。
この「泣く」という機能は人間がもともと持つ生理的な現象の一つです。
びっくりして驚くことをやめたり、イヤなことがあってカッとなって怒ることをやめるのと同じか、あるいはそれ以上に難しいことでもあります。
感情の変化により起こる生理的な現象は、無理矢理止めようとするほどに、余計に意識をしてコントロールできなくなってしまいます。
感情の波をうまくコントロールするためには、ストレスを溜め込まず、定期的に発散するための運動や瞑想などの時間を取り入れて規則正しい生活を送ること。
それらを行った上で、それでも我慢できないときには、少しその場を離れてむしろおもいっきり泣いてみるといいかもしれません。
泣いてしまうことに抵抗はあるかもしれませんが、じつは泣くという機能そのものが、気分をすっきりさせ、感情をコントロールしやすくするために備わっているとも考えられています。
だからこそ、泣くことをポジティブに捉え、あなたの感情コントロールのための戦略のひとつに組み込むようにすることで、気持ちの波が穏やかになり泣く頻度も減っていくことでしょう。
「イライラ」にも対処しよう
そうやって感情が落ち着かせる方法は、他にも使えます。
たとえば、独占欲が強くて、他人に対して、「それは違う!」とイライラしてしまうこともあるでしょう。
人はアイデンティティが少ないほどにそれを傷つけられたり、他の人に奪われると思うとイライラしてしまう生き物です。
特に、「これだけが自分の欲求を満たしてくれる」と少々偏った考えになるほどの執着心や依存心が生じると、自分の考え通りでない話にイラついてしまったり、独占欲が満たされずに離れていくという感じがして、一層に精神的な苦痛を感じてしまう人もいます。
先ほど述べたように、ストレスを溜め込まず、定期的に運動や瞑想などを取り入れましょう。
(本稿は、『頭んなか「メンヘラなとき」があります。』の著者・精神科医いっちー氏が特別に書き下ろしたものです。)
精神科医いっちー
本名:一林大基(いちばやし・たいき)
世界初のバーチャル精神科医として活動する精神科医
1987年生まれ。昭和大学附属烏山病院精神科救急病棟にて勤務、論文を多数執筆する。SNSで情報発信をおこないながら「質問箱」にて1万件を超える質問に答え、総フォロワー数は6万人を超える。「少し病んでいるけれど誰にも相談できない」という悩みをメインに、特にSNSをよく利用する多感な時期の10~20代の若者への情報発信と支援をおこなうことで、多くの反響を得ている。「AERA」への取材に協力やNHKの番組出演などもある。