タンパク質が足りない場合は、缶詰が手っ取り早いのです。サバのみそ煮を食べなさいとか、よく言われます。サバのみそ煮の缶詰には25グラムのタンパク質が入っています。昼間、ふかふかしたあんまんとか肉まんを食べると9.5グラムのタンパク質が摂れる、というふうにタンパク質の量を大体、覚えておきましょう。

 朝急いでいて、ご飯に納豆をかけて食べる。納豆にも8グラムくらいのタンパク質が入っています。ご飯1杯は5グラムから10グラムの間くらいとすると、納豆ご飯、卵かけで結構な量のタンパク質が摂れることが分かります。ところが面倒だからと言って、朝ご飯を抜くとそれがゼロになってしまいます。やはりタンパク質は毎食摂るという習慣を付けておかないといけません。

 もう一つ覚えていてほしいのは、肉や魚の中にどれくらい入っているかという点です。例えば、100グラムの鶏の胸肉だと23.3グラムのタンパク質、豚バラ肉だと14.1グラム、豚肩ロースだと19.7グラム、牛バラ肉だと12.1というふうに、10グラムから20グラムの間くらいだということが分かります。

 なぜ値がばらついているかというと、重さの中にタンパク質だけではなくて脂肪が入っている場合があるのです。鶏の胸肉には脂肪がほとんどありませんが、おいしい牛肉の中には脂肪がたくさん入っています。

書影『70歳までに脳とからだを健康にする科学』(ちくま新書、筑摩書房)『70歳までに脳とからだを健康にする科学』(ちくま新書、筑摩書房)
石浦章一 著

 それでは魚のタンパク質はどうかというと、例えば、マグロ100グラムは26.4グラム、サケだと22.5グラム、ブリだと21.4グラムというふうに、大体20グラム程度入っています。先ほど出てきたサバ缶やツナ缶などでは大体20グラムくらい入っている、と覚えておきます。

 そうすると、タンパク質を毎日、私たちは体重に匹敵するだけ食べているかどうか、ということが予測できます。このようなことは考えたこともない、という方はいませんか。皆さん、死ぬまで必ず行うことと言えば、食べることと運動です。運動だけに気をつけていて、食に気が回らない人が意外に多いのです。

 食べることにもっと注意しないといけません。