「忙しすぎて本を読む時間がない」「1冊読み切るのに時間がかかる」「読んでも読んでも身につかない」――そんな悩みを抱えているビジネスパーソンは少なくありません。本を読めばいいことはわかっているのに、自主的に読めない人もいるでしょう。
何の本をどう読み、どう活かしていくか――働くうえで必携のビジネススキルを良書から抜き出したのが『ひと目でわかる! 見るだけ読書』。本書は、コスパやタイパを重視する現代的な読書スタイルを重視する人にとっても、魅力的な読み解き&活用法です。たった「紙1枚」を見るだけで本の最も大事なポイントが圧倒的なわかりやすさで理解でき、用意したワーク1枚を埋めるだけで即スキル化できる1冊。それも1万冊の読書体験と1万人を教えてきた社会人教育の経験から、絶対に読んでほしい24冊+αを紹介。ただ、エッセンスをまとめただけでなく、読後には、紹介した本が有機的につながっていく仕掛けがあなたのビジネススキルを飛躍的に向上させます。
1冊目:『マインドセット「やればできる! 」の研究』
長い休み明けはどんよりしがち。GW明けは「五月病」になる人がいるかもしれません。そこで今回は五月病対策になりそうな「心」をテーマにした本について、3冊ほど紹介していきます。
1冊目は、『マインドセット「やればできる! 」の研究』(キャロル・S・ドゥエック著、今西康子訳、草思社)を選びました。この本では、人間のもつ「成長マインドセット」と「固定マインドセット」という2つの「心のあり方」について学ぶことができます。
その違いについては、私なりに「紙1枚」にまとめたものを紹介します。
GW開けは、現状維持、回避志向、他責モードといった「固定マインドセット」に陥りがちです。この「紙1枚」も参照しながら、1日のなかで「成長マインドセット」で過ごせる場面を、少しずつ取り戻していってください。
2冊目:『道は開ける』
もう1つ、この時期に陥りがちな精神状態として、ものごとを展望する視野が狭くなったり、思考が短絡的になったりといったことも挙げられます。その結果、判断を誤って失敗したり、ミスコミュニケーションで人間関係がこじれたりもしがちです。
もし何かしら心当たりがあるのであれば、『道は開ける』(D・カーネギー著、香山晶訳、創元社)を読んでみてください。
この本の本質は「紙に書き出して俯瞰・客観視できれば、不安を解消して次の一歩を踏み出せる」という点にあります。
実際、『道は開ける』の原書のタイトルは『How to Stop Worrying and Start Living』となっていて、「Worring=不安とどう付き合っていくか?」が中心テーマの本です。
GW中にあまりいいリフレッシュができず、「さあStart Livingだ!」と前向きな心持ちになれていないようなのであれば、ぜひ手に取ってみてください。
3冊目:『アツイコトバ』
ここまで、後ろ向きな心の状態への認識を深めたり、あるいはそこからどうやって脱していくかについて学べる名著をガイドしてきました。
最後に選んだ珠玉の1冊は、「たとえ名著だとしても、頑張って読む余裕自体がないです」「理屈はいいから、とにかくサクッと元気になりたいです」という人向けに紹介します。
『アツイコトバ』(杉村太郎著、KADOKAWA)の帯には、「死ぬ気でやれよ、死なないから」と書かれています。他にも「確率ではなく、可能性にかけろ」「トップと最下位に、実は差なんてない」等々、まさに心がアツくなる言葉が満載です。
20年前の本であり、今となっては「不適切だ」と言われかねないような表現もあります。一方で、そうやって指摘されることを恐れるあまり、今やこういったメッセージを(いい意味で)暑苦しく語りかけてくれる人が、身近にいなくなってしまいました。
もし、あなたの周りに叱咤激励・鼓舞してくれるような人がいないのであれば、この機会に『アツイコトバ』に触れてみてください。15分もあれば読めてしまう本です。にもかかわらず、15分後には何か行動を起こさずにはいられなくなるというくらい、明日への活力を得ることができます。まだまだこれから頑張っていきたい人ほど、ぜひ。
(本原稿は書籍『ひと目でわかる! 見るだけ読書』著者の書き下ろしです)