ポイント経済圏の各社を
通信系、カード・決済系ごとに評価!

 経済圏とは、特定のポイントを貯める手段として、自社のクレジットカード、スマホ決済、ポイントカード(見せるだけ)、ECモールなどを有し、その利用で貯めたポイントをまた通貨代わりに消費させる商圏サイクルを指す。

 いくつかのカテゴリーに分かれ、通信系といわれるのが「ドコモ(dポイント)」「au(Ponta)」で、「PayPay」はソフトバンク系列だがスマホ決済中心のイメージが強い。「楽天(楽天ポイント)」はモバイルがあるとはいえ、主体は楽天市場ユーザー×楽天カードだから、決済系経済圏と言ったほうが正しい気もする。

 そういう意味ではVポイントも決済・金融系だろう。リアル小売りの場で強いのは「イオン(WAON)」で、通信も持ってはいるが、経済圏の中心となるのはイオンカードとなる。整理すると以下のようになる。

【通信系】ドコモ、au、ソフトバンク、楽天
【カード・決済系】楽天、PayPay(ソフトバンク)、Vポイント、イオン

 楽天とソフトバンク=PayPayがダブっているが、主体サービスを何にするかで見方が変わるためご容赦いただきたい。

 最初は通信系のドコモから見て行こう。メインユーザーはドコモ携帯の利用者からなり、携帯回線および「ドコモ光」の利用料金1000円につき10ポイントが自然に貯まる(クレジットカードのdカード GOLDなら1000円につき100ポイントにアップ)。

 通信系の中で無条件に毎月ポイント貯まるのは、他には楽天モバイルのみだ。決済手段の利用状況に応じてさらにdポイント(期間・用途限定)が貯まる新料金プラン「ドコモポイ活プラン」を4月から順次スタート、まずahamoのユーザーが月額2200円の「ポイ活オプション」に加入するとd払いの基本還元率に3%上乗せになるという(「ahamo大盛り」の利用者が対象)。

 また、AmazonとのID連携で、dポイントが利用できるようになったのは大きな話題。dポイントの価値を高められるかが経済圏の行方を左右するだろう。弱点といえば、自社で銀行などの金融グループを持っていないこと。銀行と決済のお金の循環ができれば言うことはないのだが。期待を込めて、評価は「よくできました」。