近年、日本には不動産バブルが到来している。加えてマイナス金利の解除も決定し、「家を買おうと思っていたけど、今はタイミングじゃないのでは?」と不安に感じている人も多いのではないだろうか。
そんな住宅購入を不安に感じる人の悩みを解決するために『住宅購入の思考法』が発刊された。本記事では、著者の江口亮介氏による住宅購入に関するオリジナルコンテンツを配信する。
自分が知らない未公開物件がたくさんあると思ってる
住宅購入で多く見られる勘違いは、「自分が知らない未公開物件がたくさんある」と考えているケースです。
みなさん最初は希望に満ち溢れて家探しを始めますが、途中で理想の物件を見つけられず悩んでしまう方は少なくありません。
その理由は、予算制限があるなかで、100%理想に合う物件が現れないからです。同時に、そういった人は過去の不動産取引や事例から、理想の物件がきっとどこかにあると信じてしまいます。このような考えが、物件購入の決断を遅らせてしまう主な原因です。私はこれを「白馬の王子様症候群」と呼んでいます。
また、なかでも特に多いのが、「私の知らない間に未公開の状態で私の理想の物件は取引されていっているんだ」と思い、ますます自分の手に渡る物件情報を好きになれないと、悪循環に陥ってしまうケースです。
しかし、実際には未公開物件は特に都市部ではそこまで多くありません。なぜなら、情報が広く公開されるほうが売主にとっても買い手を見つけやすいということをわかっているからです。そのため、未公開物件が多いと考えて物件購入を躊躇する人は幻想に抱いているだけで時間を浪費してしまっている可能性が非常に高いです。
この勘違いを解消するためには、まず未公開物件について理解することが大事です。未公開物件については2つのケースがあります。1つはタイムラグ的未公開状態、2つ目は新築戸建てにおける建築確認前未公開状態です。