新NISAは人生戦略の
一手段として捉えるべき
そこで考えてほしいのは皆さんが新NISAをどのような人生戦略の観点からやっているのかということです。
たとえば35歳の人が「30年後、65歳までに老後資金2000万円をつくる」と決めたのだとします。ひとつの計算では35歳で120万円(これは新NISAのつみたて枠の年間の上限と同じです)をS&P500に投資をして、ずっと30年間持ち続けたとした場合に、年率10%で増えていったとしたら(理論的には)到達できるゴールです。
それが戦略の目的だとしたら、やってはいけないことは途中で降りることです。
もちろん自分の人生だから途中で降りるのも自由ですよ。
どうしても助けてあげたい誰かがいて、「おぢ」の立場としてなけなしの120万円を現金化して手渡そうというのも、それはそれでその人の人生です。
ただ住宅ローンの話と同じで、降りたらその瞬間に老後の人生は変わります。
あくまでわかりやすい表現として申し上げれば、老後貧乏を選ぶか、NISA貧乏を今選ぶかの判断をその瞬間にしていることになるのです。
現実には、ここが一番憂うべき点ですが、実際に多くの投資初心者は2~3年でこの判断がぶれて超長期投資をやめて、投資資金を現金化してしまいます。
わかったうえでやっているのであれば止めませんが、ただ「ちょっと儲かったから焼き肉を食べに行こう」ぐらいの判断だったとしたら、それは投資貧乏につながる道を歩んでいるのだと気づいてほしいと私は思います。
人生、何かを得ようと思ったときは、それを得るための努力の時期は必ず必要なものです。お金を得るためのNISA貧乏がそのようなポジティブなものだった場合はそれほど気にすることはないと思います。
一方でNISA貧乏が心理的な誤りから起きているのでしたら、それは早く修正したほうがいい。もし皆さんがNISA貧乏感をおぼえていらっしゃるとしたら、この記事を参考に、自分に何が起きているのかを考えてみてはどうでしょうか?