乗り心地もよくなった。タイヤの変更も効いていそうだが、荒れた路面でもその影響を受けにくく、振動が減ってしなやかでなめらかな走り味になっている。車両重量はそれなりに重いが、操縦感覚がいたって身軽に仕上がっているのもいい。
相変わらずの電脳ぶりにもあらためて感心した。テスラがいち早く導入した、自車周辺にいる車両や人をわかりやすく表示してくれる機能はもちろん、ウインカーやシフトを操作すると、それに合わせて確認すべき部分の画像が適宜ディスプレイに表示されるのは便利だ。オートパイロットについては、あまり長い距離は試せなかったが、先進的な機能と優れた性能の一端を味わうことができた。
テスラ成功には
それだけの裏付けが存在
装備も充実した。中央のセンターコンソール背面にタッチ式ディスプレイが装備されたのも後席乗員に歓迎されるに違いない。インターネットで配信される動画などを走行中でも再生できる。画面サイズは8インチと小さいが、音響特性が後席向けに最適化されている。助手席よりも後席を希望する人が増えそうだ。
夜間に乗ると、乗員を囲むように柔らかな光を放つアンビエントライトが心地いい。ヴィーガンレザーのシートはフロントに待望のベンチレーション機能が付いたのも夏場のドライブでは重宝するはず。見た目のリフレッシュだけでなく、ユーザーにとってありがたいところにいろいろ手が加えられたことを歓迎する。
先進的な機能の数々と画期的で革新的なアイデアをいちはやく取り入れるテスラの姿勢に共感するユーザーは大勢いる。人気の秘密は、その積極性とともに、BEVとしての基本性能が優れているからだと実感した。テスラ成功には、それだけの裏付けが存在する。
(CAR and DRIVER編集部 報告/岡本幸一郎 写真/山上博也)