男性機能と頭髪を維持すべく
亜鉛を食事で摂るべし

看護師マッキーに寄せられたリアルなお悩み
Q男性機能を高める栄養素を教えてください。

看護師マッキーの回答
Aテストステロンの生成に深く関係する亜鉛の摂取をおすすめします。ただし、食事でこまめに摂取してください。

「20歳下の彼女ができた!」「生涯現役!」など、男性機能アップを謳ったWeb上のサプリメントなどの広告を見ると、必ず成分として含まれているのが亜鉛です。たしかに、「亜鉛不足の高齢男性が6カ月間亜鉛を摂取し続けた結果、テストステロン値が約2倍になった」という報告もあります。

 しかし、亜鉛はたんぱく質や脂質などとは違い、学校で習う機会も少ないので、私たちにはあまり馴染みがないかもしれません。かく言う私自身も、亜鉛の有効性を知ったのは、看護学校を卒業し6年目の内科勤務時代のことでした。

 ある女性の患者さんは「何を食べても味がしなくて……。食事の準備ができないんです」と味覚異常を訴えました。すると、医師は「味覚異常は亜鉛不足が原因です。亜鉛を処方しておきますね」と患者さんに伝えました。この時、私は「亜鉛と味覚異常?はて?」と考え込んでしまいました。

 そこで、亜鉛と味覚の関係性について調べてみると、舌には味を感じる細胞があり、その細胞の生成には亜鉛が関係していること、さらに亜鉛は直接摂取することによってしか補給できないことが分かりました。

 亜鉛は「成人の体内に約2g含まれ、そのほとんどが筋肉と骨中に含まれ、皮膚などに存在している」ことが知られています。

 ちなみに、中高年男性のみなさんが男性機能と同等かそれ以上に気にしているのが頭髪に関する悩みです。実は亜鉛不足になると、皮膚の新陳代謝がうまくいかなくなり、抜け毛の原因になることもあるのです。「亜鉛不足の母親の母乳を飲んだ新生児が脱毛症になった」ことも分かっています。

「1日あたりの成人男性の亜鉛の摂取基準量(2020年)は11mg(75歳以上は10mg)」とされており、食べものの中では、とくに牡蠣に多く含まれています。ですが、亜鉛をサプリメントなどで一度にたくさん摂ると、吸収率が低下し、銅や鉄の吸収が阻害されます。したがって、亜鉛はなるべく食事でこまめに摂取することをおすすめします。