理想的な身体をつくるために
身体に最適な燃料を供給する

倉島万由子 著
ここで、食事の専門的知識も持ち合わせるオリンピアンの友人、ジェシカ・ステンソンからのアドバイスをもとに、私が実践している食事法を紹介します。
自分にとっての理想的な身体をつくるには、「適切な燃料補給」と「回復」を伴う「トレーニング」がカギになります。つまり、ランニング自体のパフォーマンスも、ランニングから得られる数多くのメリットも、身体に最適な燃料を供給することで得られます。
体力、健康、食べ物との健康的な関係、そして幸せな気持ちを維持するために、「高品質な燃料」を身体に提供してあげてください。具体的には次の3点に気をつけましょう。
・パフォーマンスと回復に不可欠な、炭水化物・タンパク質・(良質な)脂質をバランス良く摂る
・免疫力を高め、ウェルビーイング(心身が幸福な状態)をサポートする、ミネラルやビタミンの豊富な食べ物を積極的に摂る
・身体の炎症を悪化させる加工食品をできるだけ摂らない
トレーニング日の食事と
レース当日の食事の違い
練習前後は、摂取するタイミングも重要です。練習の強度によってその量は変わりますが、基本的には次のことを念頭に置いてください。
・練習の30分~1時間前は、練習中の筋肉にエネルギーを供給する炭水化物を摂取
・練習後30分以内に、筋組織・骨組織の修復を促進する、高品質のタンパク質や炭水化物を含む食事または軽めのスナックを摂取
ここで、高強度のトレーニング日とレース当日の食事の例をいくつか紹介します。


走っているのにやせないのは
食べ方が間違っているから
食べる量を減らしても、体重が減るとは限りません。早くやせたいがために食べる量を極端に減らすと、身体が完全に回復しないばかりか、「省エネモード」に入って、脂肪が燃えにくくなります。人間の生命を守る機能が発動し、食べ物が少なくても生きていけるモードに身体が変換されることで、基礎代謝率もパフォーマンスも落ちてしまうのです。
そうなると本末転倒です。走ったからと言って、必要以上に食べてしまってはもちろん良くないですが、身体を回復させ、基礎代謝率を上げるためにも(身体に疲労が溜まっていると、代謝が悪くなります)、着実に結果を出す「正しい食べ方」をしていく必要があります。
脂肪分の少ないタンパク質、季節の食べ物、フルーツや野菜などで身体に燃料を補充しましょう。