リフォーム会社は補助金が出ない可能性があるため、営業・提案に迫力がなくなる。それを見越して、実質的に予算を青天井にしている県もある。鳥取県である。「とっとりエコライフ構想」に県知事が前向きに取り組み、断熱等級を独自に細分化して対応している。そして、年度予算はあるものの、これを上回った場合は、県知事決裁で承認すると聞いている。リフォームする際に予算の話は重要であるが、これをクリアできれば次の話に移れる。

 先ほどの断熱アンケートの結果でわかっていることは、その満足度の高さだ。90%が断熱リフォームに満足しており、その声はリアルである。

「壁の二重化と二重窓の設置により騒音がやや軽減され、結露がなくなった」

「二重サッシで家の断熱効果が上がり、すぐに部屋が暖かくなることに満足」

「断熱性が上がり、暖房器具なしでも快適な温度となった」

「内窓を増設し温かくなったことに満足しているが、断熱に関しては劇的な改善を期待していたため、若干の不満もある」

2025年から新築省エネ基準の適合義務化
マンションの資産価値に大きく影響

 2025年4月からは原則すべての新築住宅に省エネ基準への適合が義務付けられる。その際の省エネ基準適合は上記2つの性能の4が最低レベルとなる。これを満たしていないストックは9割にのぼる。こうなると、2025年以降の新築はこれまでの既存住宅よりも性能が抜きん出ることになる。ゆえに、これがすべてのストックの資産価値に影響してくることが予想される。

 しかし、先ほどの断熱リフォームによって、新築に対する省エネ性能の劣後は解消される。このリフォームは補助金でお金がさほどかからないだけでなく、資産価値を上げてくれるので、やらない手はないだろう。